2020年の読書メーター

2020年の読書メーター
読んだ本の数:308
読んだページ数:89225
ナイス数:1496

涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)感想
「溜息」辺りでハルヒの能力は、物語内部に入りこんでしまった無自覚な作者のようだなと思ったことを思い出した。登場人物にしつこいくらいにミステリ議論させたのは作者の趣味だけでなくシリーズ全体に張った伏線のルール説明なのでは。作中作を解く形で作者が読者に仕掛けたトリックを暗示しているんだろう。 今回は前巻で登場した敵キャラは出てこないが再登場の予告あり、Tと呼ばれる謎の留学生も登場。とはいえ前回SOS団は現行5人なことが改めて確認され、鶴屋さんたちが三年生なことを併せると物語時間で年度内には完結か?次巻いつかな
読了日:12月30日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの驚愕(後) (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの驚愕(後) (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。承認欲求と思ったら、アイデンティティの話だった。誰も誰の代わりになれない。ハルヒだけじゃなくて、唯一無二の存在ということ。新キャラは物語をかき回すだけかき回して何処かへ去っていく。佐々木やヤスミはまた会いたいぞ。「姉さん!」は古典アニメに元ネタありそうな予想。要はキョンは二人の女性の間を揺れ動き、最後はラブコメラッキースケベ(?)イベント勃発、と。就寝中、部屋に侵入されたら普通に怖いだろ…心の広い団長でよかったね…ハルヒはもう少し危機意識を持ってくれ!
読了日:12月27日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの驚愕(前) (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの驚愕(前) (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。ハルヒの母情報。ワーキングマザーで料理は専らハルヒが請け負っている…と。ここは地球ではない?テーマは承認欲求?αとβの平行世界はまだ交わらないが、全く別の世界でもない(キャッチボールのエピソードなど)ようだ。前巻で登場した3人の思惑が明らかになり、長門の具合はまだよくならず(一方の長門は普段通り)SOS団に謎の新入部員が入る、と。相変わらずキョンの熱量は高い。ハルヒの力がどうなるかの鍵は、キョンが握ってるのは間違いないらしい。あとは下巻でスッキリさせてくれることを期待。
読了日:12月26日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。…途中でαとβに分裂した上に「驚愕」に続く。ハルヒのライバル、佐々木登場(性別誤認トリック必要?)でハルヒやきもき…と思いきや、みくる誘拐犯の一味、敵キャラ藤原@未来人、橘@超能力、九曜@宇宙人が登場して物語が一気に展開…前の登場人物紹介の段階か。喜緑さんの立ち位置、新入部員の行く末もこの巻では不明。生徒会長は登場したばかりなのにすっかりモブキャラになってて気の毒。最後はお馴染みの長門、倒れる。ハルヒが好きなのはジョン・スミスであってキョンでない、キョン異世界人説など
読了日:12月26日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)感想
kindleunlimited。ハルヒ、クラスに溶け込むの巻。生徒会長と対決。ミステリ仕立ての作中作。団員の結束ができたから次は活動を広げていくのか。この巻はSF的蘊蓄は少なめ。「憂鬱」からして壮大な風呂敷は広げるものの、テーマは普遍的な、簡単に言ってしまえるようなことなんじゃないかと感じていたが、これはハルヒの成長譚でもあるということか。作中でしばしば言及されているし、この物語は高校時代で終わるのだろう。その時が待ち遠しいけれど、朝比奈・鶴屋は上級生だから卒業問題もあるしまだ目が離せない。
読了日:12月26日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。長編。だからループ物苦手なんだよ…。バレンタインオチは読めたが。妙に前向きでやる気のあるキョンは第二覚醒か。決められた未来に沿った過去にしたいみくる(大)に操られ翻弄されるみくる(小)そして過去に干渉して未来を書き変えようとする敵勢力。新キャラの野郎Xと少女Yが登場。作者の頭の中では物語は出来てて(当たり前だけど)頭の悪い私のような読者に理解してもらうために枚数を費やしたんだろうなぁ…。うう…頑張って着いていきたい。バレンタインを巡る女子トークを短編で読みたいにょろ。
読了日:12月25日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。ハルヒがその才能を迷惑ではない方向に遺憾なく発揮させた「ライブアライブ」(けいおん!ブームに乗ったかと思いきやこちらが先だった)。件の映画のあらすじ(読者として気にはなっていたが別に知りたくもなくもなかったかもしれない。この内容で映研の観客動員数を奪ったのが謎だが全てはみくるの魅力か)。長門有希の災難?雪密室の推理劇はちょっとアンフェアな気もしたが。次回作の伏線、で構成された巻。冒頭以外にハルヒの影が薄い。自らの才能で感謝されるという体験をしたハルヒの内面の変化が気になった
読了日:12月24日 著者:谷川 流
ゆるゆり (19) (百合姫コミックス)ゆるゆり (19) (百合姫コミックス)
読了日:12月24日 著者:なもり
涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimitedで再読。シリーズ順番に読むことで気づくことあり。気に入らないことがあると世界を消滅させてしまう、というハルヒの能力に対して、従来はハルヒのいわばご機嫌取りに終始していたが、それでいいの?という疑問に前巻で覚醒したキョンが答える「射手座の日」。エンドレスエイトはループ物SFと日常ほのぼの系の両立。嵐の孤島ときたら雪の山荘の「雪山症候群」暗号ものでもある。ラノベレーベルの割に作者ががっつり趣味を全面に押し出してきた観。とてもいい。
読了日:12月24日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。題名通りハルヒが「消失」した世界を元の世界に取り戻すためキョンが奮闘する。キョンの覚醒回でもある。キョンハルヒの能力を認め、意図的にそれを使うことさえ想定する。ハルヒ=作者ならキョン=読者。ハルヒとゆかいな仲間たちが繰り広げる日常ほのぼの系へのアンチテーゼか?ループ物が大変苦手なんだが頑張って読んだ。
読了日:12月23日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。短編集。敢えて題名にこじつけるなら、ハルヒの退屈が世界に何を齎すか、というところか。ところでこの時点(表題作)でキョンはさほど妹萌ではないのだな。シリーズの伏線ぽい「笹の葉ラプソディ」やB級映画観溢れる「ミステリックサイン」も面白く読んだがこの巻のメインは「孤島症候群」だろう。シリーズの巻を重ね、満を持して作者の本領発揮か。こういうのは好みが別れるし、作者が読者を選別し始めたのかもしれない。一方、ハルヒのキャラは試行錯誤の段階にも見える。さて、次の巻に行きますか。やれやれ。
読了日:12月23日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。ハルヒ、映画監督になる編。危機あり陰謀(?)あり。みくるはお色気ウェイトレス役の主演女優。気になったのは、ハルヒは面白いことを求めているのに、映画に主演しようとはしない。キョン曰くハルヒ自身も充分美少女なのに。ハルヒが主役になりたいんじゃなくて、面白い状況(もの)を創り出したいということか。「憂鬱」の時から感じてたが古泉の話をまとめると、ハルヒはそうと知らず物語世界に入りこんでしまった登場人物のように見える。無自覚な作者とも言えるか。SOS団員たちの思惑もまだ分からない。
読了日:12月21日 著者:谷川 流
誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート (角川文庫)誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート (角川文庫)感想
引きこもりの由宇は向かいのマンションのベランダに幼児が虐待されているのに気付いていたが、具体的な行動には移せないままだった。ある猛暑日、通りがかったパチンコ屋の駐車場で件の幼児が車内に置き去りにされているのに気付き、連れ去ってしまう。世話に困った由宇は元同級生のひとみに助けを求めたものの、由宇の家から幼児が忽然と消えてしまった…。…最初の誘拐事件はご都合主義だがひとみのプロローグ的役割か。次の事件はまさか?と思った結末そのままで逆に驚いた。警察アホすぎだろう。胸糞。事件が解決してもページがたんまり残って
読了日:12月21日 著者:歌野 晶午
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)感想
kindleUnlimited。初読み。第一巻でありボーイミーツガールの回。ハーレム物だけど不思議とイヤミがないのは、シリーズ根底の世界観のせいか。ものすごく当たり前のことを、宇宙やら時限やらSF的理屈で大回りして、キョンハルヒに気付かせるという趣向か。パソコンの強奪やみくるへのセクハラは度を越していると思わないでもないがそこは読者サービスだろうしツッコむのは野暮か。Unlimitedで読めるうちに続巻も読もう。
読了日:12月20日 著者:谷川 流
深夜のダメ恋図鑑 (7) (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (7) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
深夜のダメ恋図鑑 (6) (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (6) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
深夜のダメ恋図鑑 (5) (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (5) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
深夜のダメ恋図鑑 (4) (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (4) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
深夜のダメ恋図鑑 (3) (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (3) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
深夜のダメ恋図鑑 (2) (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (2) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
深夜のダメ恋図鑑 (フラワーコミックスアルファ)深夜のダメ恋図鑑 (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月20日 著者:尾崎 衣良
ミステリと言う勿れ (7) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (7) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (6) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (6) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (4) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (4) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (3) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (3) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (2) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (2) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月19日 著者:田村 由美
ルポ・精神病棟 電子書籍加筆復刻版ルポ・精神病棟 電子書籍加筆復刻版感想
kindleUnlimited。伝説の書籍だが福祉の世界では黙殺されてる印象。表では人権擁護を謳いながら未だに制度として措置入院は存在する。収容所としての機能を手放したくない人々がいる限りこのルポは過去のものにはならないだろう。…本音を言えば、必要悪。それをしないためには手厚い看護、支援を要するが現場は今も昔も人手不足。それは報酬もあるが、設置基準の問題。これは精神病院だけでなく介護保険施設も同様。色々な意味で余裕のない職員配置は結局、著者が見てきたような不潔部屋を再現することになるのだが。
読了日:12月18日 著者:大熊一夫
森の中に埋めた (創元推理文庫)森の中に埋めた (創元推理文庫)感想
オリヴァーの長期休暇直前。ピアは代理ボスが誰になるかでやきもきする中、キャンプ場のキャンピングトレーラーが燃え、中から焼死体が発見される。これを皮切りに連続殺人事件となるが目撃者の青年は前科があり警察を恐れて逃げ回る。犯行の動機は42年前、オリヴァーの親友だった少年の行方不明事件に端を発していた。そこには元カノのインカを始め、幼馴染みたちが絡んでおり、ボスの心は容赦なく抉られる。ムラ社会の暗部は横溝の世界を思わせる。機能不全家族や移民の差別など、真犯人の動機とは別の歪みも提示される。
読了日:12月18日 著者:ネレ・ノイハウス
このミステリーがひどい!このミステリーがひどい!感想
kindleUnlimitedで。‥「好み」以外の何物でもない。最初に断っている通りネタバレ全開。あと容姿への言及は普通にキモい。学歴に拘りすぎているのもどうかと。要するにミステリーなんて大して面白くもないのに出版社がゴリ押しするから売れてるんだろう。うらやまけしからん。が、本音では。ほぼ全編共感できるところはなかったのだが、これが作者の芸風だしそれが気に入っている人は読めばいいと思う。
読了日:12月17日 著者:小谷野 敦
WELL (Ripika novel)WELL (Ripika novel)感想
kindleunlimitedで。書下ろし短編目当てに再読。ディストピア物。地下に取り残された亮介としのぶ。亮介は怪我を負い、しのぶの助けがないと排泄もままならない。そんな亮介にしのぶは献身的に尽くす『WELL』。地下街のリーダー田村が苦悩の果てに辿り着いた結末とは『HOPE』。その後の『終わりの話』この物語の世界に没頭していると、周りが全て砂漠になったような錯覚に陥り思わず窓の外を確認してしまう。そして書下ろし短編は、枚数は少ないものの、生きることの意味を改めて考えてしまい、色々な意味でゾッとさせられる
読了日:12月16日 著者:木原 音瀬
八甲田山 消された真実八甲田山 消された真実感想
kindleUnlimitedで。 数年前青森の八甲田山資料館に行った。陸軍公認の施設だからか全貌は明らかにされていないなと感じた。裏手にあった墓地から、改めて行軍で犠牲になった兵士たちの無念が伝わってくるようだった。資料館に行ったのは夏だが、冬の青森も行ったことがある。街中で除雪は行き届いていたが雪深い土地であることを思い知らされた。資料館で、行軍のメンバーが地元民ではなく岩手のしかも沿岸部の出身の者が多かったことを知った。母がこの地方の出身だが、沿岸部は雪があまり降らないから雪の備えの知識はないのだ。
読了日:12月16日 著者:伊藤 薫
クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)感想
ネタバレしない範囲で。緘黙症の少年と警察官たちが野球をするシーンが前半の、街の人々がサディー父の作ったポスターを手に静かなデモをするシーンが後半の白眉。子どもを愛するが故に間違ってしまう大人。作者は子どもを一人の独立した人間として描く。大人はかつては自分も子どもだったことを忘れてしまうのだ。グウェンは忘れるだろうか?忘れる必要があるだろうか?
読了日:12月15日 著者:キャロル オコンネル
探偵は友人ではない探偵は友人ではない感想
日常の謎系ミステリーというよりは、ミステリーの形式を借りた青春小説。歩と真史の関係性を事件を通して描く。展開や文章にやや癖は感じるが、全体的に淡い。学校と家族が世界のほぼ全ての中学生の中で、その外側にいる歩の見ている景色に、今回真史は少し近づいたのだろうか?
読了日:12月13日 著者:川澄 浩平
パズルゲーム☆サクシード 6 (白泉社レディースコミックス)パズルゲーム☆サクシード 6 (白泉社レディースコミックス)
読了日:12月08日 著者:野間 美由紀
文豪ストレイドッグス (20) (角川コミックス・エース)文豪ストレイドッグス (20) (角川コミックス・エース)
読了日:12月08日 著者:春河35
イエスかノーか半分か読本 Color Bar(CDつき)イエスかノーか半分か読本 Color Bar(CDつき)
読了日:12月08日 著者:一穂 ミチ
アウシュヴィッツ潜入記アウシュヴィッツ潜入記感想
新聞書評で紹介されていた。アウシュビッツに潜入した軍人ピレツキ氏の報告書。タイプライターで余白もなくびっしり打たれた本文はしかし軍人の報告書という印象からは遠い。小説、随筆、散文詩のような文章からは、氏がアウシュビッツで体験したことがむしろ淡々と綴られている。彼が生き残り収容所から脱走できたのは、彼の不屈の精神力と仲間と、運と、それがあったからで、隣人が数時間後には死体となっていることが珍しくない収容所の世界で辛くも生き残りこのような手記(報告書)を残してくれたことを感謝するしかない。
読了日:12月08日 著者:ヴィトルト・ピレツキ
群衆群衆感想
「モブ姦」をテーマにしたボーイズラブ小説アンソロジー同人誌。 2015年8月に発行。 木原音瀬「迷路」 のみ拾い読み。設定がこの短編だけで終わるのはもったいない。またどこかで使って欲しい。早川×小柴も是非。
読了日:12月05日 著者:木原音瀬,水壬楓子,和泉桂
Sweet BabySweet Baby感想
「攻の妊娠」をテーマにしたボーイズラブ小説アンソロジー同人誌。 木原音瀬「ラブチャイルド」 のみ拾い読み。
読了日:12月05日 著者:木原音瀬,水壬楓子,和泉桂
MissingMissing感想
「Missing」をテーマにした書き下ろしのオリジナルJUNE小説合同誌。木原音瀬「真夏の国境線〜再会〜」のみ拾い読み。ジャックとガレの物語再び。再会するまでの間にジャックに何があったんだろう?気になる!
読了日:12月05日 著者:木原音瀬,水壬楓子,和泉桂
半月半月感想
「両性具有」をテーマにしたボーイズラブ小説アンソロジー同人誌。2013年8月に発行。木原音瀬「真夏の国境線 ~奇襲~」のみ拾い読み。クールなジャック上官と弱気だけど賢いガレ一等兵の一方的な純愛。…この設定が、また。
読了日:12月05日 著者:木原音瀬,水壬楓子,和泉桂
涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)感想
ハルヒ。各キャラや世界観の設定は知らず読んだが楽しめた。エンドレスエイトは伝説のアニメということで知識だけはあり、これがその原作か!と。キョンが信用できない語り手で地の分にハルヒが応答していたりと疑問は残るがまぁそこはおいおい判明するのであろう。暗号ありコスプレありの巻でした。
読了日:12月04日 著者:谷川 流
アニーはどこにいったアニーはどこにいった感想
訳あって故郷の街に戻ってきたジョー。…この主人公に秘密が多すぎる。メインが妹アニーのことだが、アニーが失踪した後死亡。その両方にジョーが関わっていたことは提示されるが事実が明かされるのはかなり終盤。そこに更にギャンブルで借金まみれ、首の皮一枚で繋がっている状態で、取り立て屋のかなりヤバい女グロリアが登場する。ジョーが住む家は母が息子を叩きつけて殺害した後自殺したという場所。面白く恐ろしく最後の最後のオチまで楽しめたが、要素が多すぎてトッピング全部乗せたビザを食べたような気分にはなった。
読了日:12月04日 著者:C.J. チューダー
揺籠のアディポクル揺籠のアディポクル感想
葉桜と復活の日の併せ技…!
読了日:11月30日 著者:市川 憂人
アーモンドアーモンド感想
障害を持つ少年の成長譚という意味なら『キッズライクアス』がもっと読まれてもいいかなと思った。映画監督が書いた小説らしくドラマチックでするする読めたが個人的には韓国の障害者福祉制度にも触れてほしかったな、と。
読了日:11月29日 著者:ソン・ウォンピョン
花屋に三人目の店員がきた夏 毎日晴天! 18 (キャラ文庫)花屋に三人目の店員がきた夏 毎日晴天! 18 (キャラ文庫)
読了日:11月28日 著者:菅野彰
カエルの楽園2020(新潮文庫)カエルの楽園2020(新潮文庫)感想
スピード感は評価したい。が、物語を通して作者の主張が伝わらない。直接書いてしまうなら寓話の形式をとる必要がない。色々な考え方があって、それでもハンドレッド(笑)の言うことが一番共感できる…というところに持っていかないと。登場人物名もあからさまだし、何というか…子供のケンカを読まされているようでした。
読了日:11月27日 著者:百田尚樹
カラット探偵事務所の事件簿3 (PHP文芸文庫)カラット探偵事務所の事件簿3 (PHP文芸文庫)感想
読んだ側から忘れる質なので1.2巻の記憶はなかったが単純に物語を楽しめた。謎解きのための物語があからさまだと興ざめ。前妻、次女がよかった。続きは出版社次第なのでしょうが、折角だから(?)古谷一族郎党を巻き込んだ横溝ばりの連続殺人事件を長編でぜひ。
読了日:11月26日 著者:乾 くるみ
いつの空にも星が出ていたいつの空にも星が出ていた感想
2020年11月25日。日本シリーズはホークスの4連勝で終了した。コロナ禍で色々な紆余曲折があった年だった。世の中の「それどころじゃない」という空気の中で、野球ファンは消化不良…もやもやした気持ちを抱えた年だったのんじゃないかな。そんな年に、素晴らしい野球小説が上梓された。それが本書。ベイスターズへの愛に溢れた小説であり、ベイファンは必読だが、老若男女全ての野球好きが読んで欲しい本当に素敵な小説。4編の物語はどれもよく、読み終わるのが勿体ないと思いながらページをめくる手が止まらなかった。
読了日:11月26日 著者:佐藤 多佳子
法廷遊戯法廷遊戯感想
結末が気になって一気読みではあった。が、読了後気になる点が。清義と美鈴の関係性が見えてこない。家族のようなもの、が正しいんだろうけれど(物語の展開上恋人や夫婦にするわけにはいかなかったんだろうが、二人の関係性が裁判の行方に影響はなかったのだろうか)。馨の一種のカリスマ性は魅力だがその根拠が司法試験に合格しただけというのがエピソードとして弱い。あと、物語の肝心な部分「無辜ゲーム」が裁判(物語)に与えた影響の意味が理解できてないのは私の頭が悪いからか。魅力的なキャラ設定はできているのでエピソード不足な印象。
読了日:11月24日 著者:五十嵐 律人
高校生ワーキングプア ――「見えない貧困」の真実 (新潮文庫)高校生ワーキングプア ――「見えない貧困」の真実 (新潮文庫)感想
高校生ワーキングプア…「見えない貧困」をエビデンスを元に可視化していく。解説にもあるが「見えない」の原因は「見ようとしない」も大きい。それは、貧困当事者にも及んでいて、親も子も相談先がなく孤立している現状が浮き彫りになる。挙げられている事例の家庭は、貧困にありながら家族の仲はよく、力を合わせて前向きに立ち向かっているのがまだ救い…なのか否か。持ちこたえてしまっているからこそ、支援から漏れてしまう。彼らを苛むのは、世の中に蔓延る「貧困バッシング」だ。綺麗な服を着て、スマホを持っているから、貧困ではない…と。
読了日:11月23日 著者:NHKスペシャル取材班
日没日没感想
ポルノ作家、マッツ夢井の元に「文化文芸倫理向上委員会」なる機関から召喚状が届く。不可解な思いを感じつつ指定された場所に赴くとそこは「療養所」であった。有害な図書を生産する作家・思想家を収容し転向を迫る。入所者・職員の誰も信用できない。やがて自分自身も信じられなくなったマッツ夢井が選んだ道は…。…ただただひたすら恐ろしいのは物語に実在の法や世相が織り交ぜられており、ノンフィクションを読んでいるような錯覚に陥るところ。「正しい」作品しか存在してはならない世界。ヘイトと差別的表現を含む芸術作品との違いは何か?
読了日:11月23日 著者:桐野 夏生
マナーはいらない 小説の書きかた講座マナーはいらない 小説の書きかた講座感想
小説作法の本かと思いきや、しをん節炸裂でサブタイトルを期待して手に取った方の心配をしてしまうが大きなお世話か。ハイローと三代目の情熱は伝わった。それはともかく、小説を職業として書くことの心得はなるほどと思わされたし、作者の言語に対するスタンスが書かれていたのがよかった。あと、公開して後悔の創作ノートが面白い。絵が上手なのと字が可愛らしくてもっと大きい画像で見たかった。思考を言語化するのは小説家としての基本レッスンであり、そもそも他者と繋がるためには必要な営みということは、
読了日:11月22日 著者:三浦 しをん
娘を呑んだ道 (小学館文庫)娘を呑んだ道 (小学館文庫)感想
またすごい北欧ミステリを読んでしまった!…娘リナが3年前に行方不明になった。最後に見た父レナートは以降、人生の全てを娘の捜索に費やす。レナート(レレ)視点で語られるパートその狂気と共に切なく心に迫る。もう一つのパートはシングルマザーの家庭で育った少女メイヤ。母の何人目かのパートナーの元、越してきたメイヤ。彼女の視点で語られるスウェーデンの自然の美しさと同時に厳しさ。…読者にもリナの生死は分からないまま、一方メイヤの家庭環境にもやきもきしつつ物語は進む。重厚で陰惨だが圧倒的なリーダビリティ。
読了日:11月22日 著者:スティーナ ジャクソン
シークレット 綾辻行人ミステリ対談集in京都シークレット 綾辻行人ミステリ対談集in京都感想
装丁も含めて贅沢な内容の一冊。10名の対談相手のうち、未読が3名。他の作家はほぼ全ての著作を既読。…ということは、私も多くの人が挙げている『十角館の殺人』に魅了されてミステリ好きになった一人だが、私もそうと気づかないうちに綾辻チルドレンを愛していたのかと思い知らされた。未読の作家のうち、前川裕氏はお名前すら存じ上げていなかったが、研究者としての知識と人生経験に裏付けられた作品とあれば是非手に取ってみなくてはなるまい。
読了日:11月22日 著者:綾辻行人
相模原障害者殺傷事件 (朝日文庫)相模原障害者殺傷事件 (朝日文庫)感想
被告は死刑が確定した。それまでの裁判記録を中心に取材した記者たちの感想は、被告と同年代ということもあり、わが事として受け止めているという印象。本文中にもあるが、裁判は予定以上にスピーディーに進んだ。結果、被告の動機形成に係る過程の掘り下げはほぼなかった。普通の若者、というには無理があるが(措置入院に至っているため)、特に施設に勤務した3年ほどの間に動機の萌芽に肉付けがされていったことは明白であるにもかかわらずそこをスルーしたのはどのような忖度が働いたのだろうか。
読了日:11月19日 著者:朝日新聞取材班
たとえ天が墜ちようとも (創元推理文庫)たとえ天が墜ちようとも (創元推理文庫)感想
路上で発見された赤毛の女性は弁護士の妻だった。自身も資産家であり、捜査主任の刑事ルパートは夫のベンに疑いをかける。ルパートと確執のあるベンはかつての同僚のボーディに弁護を依頼する。ルパートの親友でもあるボーディは悩んだ末、弁護を引き受ける。一方、ルパートの元に、四年前、轢き逃げされたまま未解決となっていた妻ジェニの手掛かりが届く。送り主は誰なのか?錯綜する真実。…裏の裏は表。ルパートやエマの悲しみが強く心を打つ。が、叙情的な部分と法廷ミステリの面白さがバランスよく融合しており大変、読ませる作品。
読了日:11月16日 著者:アレン・エスケンス
世間とズレちゃうのはしょうがない世間とズレちゃうのはしょうがない感想
養老先生と伊集院光の対談本。「世間とのずれ」をテーマにそれぞれの専門の話を交えながらのトーク。二人とも賢い方たちだが、難しい言葉は何も使っていない。中学生でも理解できるくらいの平易な言葉で、しかし大事なことを紡いでいく。しかし私から見ると二人とも稀有な才能があって好きなことに向かって努力できる力のある人。対談の中でも語られているが、従来の価値観に従って一生懸命努力してきた人の梯子が外されてしまう世の中なので、困ったものであるがだからどうしたらいいか、というヒントのようなものは書かれているように思う。
読了日:11月15日 著者:養老 孟司,伊集院 光
笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)感想
エイダン巡査は夜勤専門の警察官。ある夜、休業中のホテルから通報があり、駆け付けると警備員が負傷、昏倒していた。そしてホテルの一室に、笑顔のまま死んでいる謎の男…。…章間の少年の痛ましい過去が現代と結びついた時、腑に落ちたと同時に先に起こることの不安がMAXに。首の皮一枚で繋がっているエイダンの命に何度もはらはらさせられた。本当の本当に最後の最後までページをめくる手が止まらなかった。エイダンはこういう生き方しかできないんだろうが、彼の周りにる彼が知らずに傷つけたり、救ったりした女性たちに幸いあれ。
読了日:11月14日 著者:ノックス ジョセフ
フィッシュ・アンド・チップスの歴史: 英国の食と移民 (創元世界史ライブラリー)フィッシュ・アンド・チップスの歴史: 英国の食と移民 (創元世界史ライブラリー)感想
イギリスを代表する食べ物であるフィッシュアンドチップスについて、その歴史を英国史と共に論じる一冊。索引も充実していて研究書としても一級なのが伺える。魚の普及に、交通網と氷、冷凍技術が関連していることは理解できたが、国民食としての成り立ちが所謂プロパガンダであることには驚いた。そもそも、口に入る食べ物がどこ産かどうかなんてどうでもいいのかも。近代以降、国が国としての体裁(ナショナリズム)を整える必要があってフィッシュアンドチップスはそれに巻き込まれたか。読んでいると食べたくなってしまうので、注意。
読了日:11月14日 著者:パニコス・パナイー
警察の階級 (幻冬舎新書)警察の階級 (幻冬舎新書)感想
『警察用語の基礎知識』に続く幻冬舎新書第二弾は階級についての一冊。前作でも触れられていたが、階級についてかなり細かく紹介した一冊。資料としては使いやすいかもしれないが読み物としてはいまいちになってしまったのが残念。市井ではドラマ等のメディアで警察物は人気があるし、古今東西の有名な警察官(フィクションで)の階級と役割をもっと知りたかったし、元警察官僚として、〇〇さん、××にしてはここがおかしい、とかそこらへんも突っ込んで欲しかったなぁ。
読了日:11月13日 著者:古野 まほろ
死んだレモン (創元推理文庫)死んだレモン (創元推理文庫)感想
ショッキングなシーンから始まる冒頭。主人公のフィン(作者と同名)は絶体絶命の危機に陥っている。どうしてそうなったのか。過去と現在を行き来しながら読者は驚愕の真実を知る。フィンとカウンセラーのやり取りが印象的で、解説で作者が心理職と知り納得。怪しい隣人の悪行がニュージーランド史と絡みながら解決されるラストは読み応えあり。ただ、隠すにも限界があっただろうし、一族はどうやって子孫を残していったのか等疑問もやや。作者の好みのプロファイルは蛇足に感じた。双子の刑事や太っちょの記者などキャラが戯画的でマンガ向きかも。
読了日:11月11日 著者:フィン・ベル
ポーの一族 秘密の花園 (1) (フラワーコミックススペシャル)ポーの一族 秘密の花園 (1) (フラワーコミックススペシャル)
読了日:11月10日 著者:萩尾 望都
箱根0区を駆ける者たち箱根0区を駆ける者たち感想
刊行は2018年12月。2018年の箱根駅伝。優勝候補であった東海大学は5位となった。名監督として名高い両角監督と10人の出場メンバーとサポートする選手たちを追った一冊。時には王者青学と比較しながら東海大学の強みを分析する。内容が題名にそぐわない気がしたが、リアルタイムで読んで2019年の箱根駅伝を観戦したかった。
読了日:11月08日 著者:佐藤 俊
完全版 マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 (フェニックスシリーズ)完全版 マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 (フェニックスシリーズ)感想
アウシュヴィッツを生き延びた父を持つ漫画家が父の体験談をマンガ作品として著した一冊。特徴的なのはユダヤ人がネズミ、ドイツ人がネコのように動物の姿で描かれている点だ。インタビューそのものをマンガ化し、著者が父の内面に深く切り込むことはない。物足りなくも感じるが、父や亡くなった人々の心中は読者が考えるしかない。考えるのをやめた時、街に鍵十字を再び見ることになってしまうのかもしれない。
読了日:11月08日 著者:アート・スピーゲルマン
一杯のおいしい紅茶-ジョージ・オーウェルのエッセイ (中公文庫)一杯のおいしい紅茶-ジョージ・オーウェルのエッセイ (中公文庫)感想
作者の小説は未読。本書は、1946年頃に発表されたエッセイが中心。短い文章の中に、個人的主観、英国の伝統的な食べ物や風習、最近の世間の動向が巧みに織り込まれていて、且つ読みやすく、時代を感じさせないばかりか現代のことを言っているのではないかと錯覚するほど。感心させられた文章を引用しようと思ったが、そこかしこにあるのでたまたま開いたところにあったもの→「現代のような社会全体を覆う無力感はなかったのだ。機会はだれにでもあり、努力さえすれば生きていける自信を持てたどころか、金持ちになれる確信さえ持てたのである…
読了日:11月07日 著者:ジョージ・オーウェル
地下世界をめぐる冒険——闇に隠された人類史 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-12)地下世界をめぐる冒険——闇に隠された人類史 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-12)感想
陰謀論のようなものを想像していたら、本当に「地下世界」の冒険譚。地下都市、洞窟…古代から人々は暗闇に恐れを抱きつつ、地底人の存在を長いこと否定できなかった。現代、死の世界と思われていた地底にも生物が存在することが判明している。…著者は地下世界の専門家から話を聞き、実際に地下を体験し「地下世界」の謎に迫っていく。…サブタイトルはちょっと煽りすぎか。著者が地下の何に惹かれるのか、人類にとって地下とは何だったのかの考察がもう少し欲しかった。
読了日:11月06日 著者:ウィル・ハント
ボーン・クロックスボーン・クロックス感想
ホリー・サイクスという女性を軸に、時間を超越して生き続ける者たちの戦争と世界の終末を描いた長大作。本そのものが大きく厚い!ポーの一族のシンプルさを見習えよ!とも思う。最終的にディストピアだった。細かいエピソードは読ませるので、せめて連続短編形式にしてくれなかっただろうか(年代毎にそうなっているとも見えるが)。
読了日:11月05日 著者:デイヴィッド・ミッチェル
ロボット・イン・ザ・ファミリー (小学館文庫)ロボット・イン・ザ・ファミリー (小学館文庫)感想
今回登場するのはフランキー。彼女(?)は記憶喪失で謎の不具合もあるが特にボニーと気が合うようで…。…新刊毎に新しいロボットが登場しなくても、と思った。あと巻を追う毎に説教臭くなっていくのもつまらない。巻末のおまけ短編のような一家の何でもない日常、というお話があってもいいのにな。
読了日:11月05日 著者:デボラ インストール
BLUE GIANT EXPLORER (1) (ビッグコミックススペシャル)BLUE GIANT EXPLORER (1) (ビッグコミックススペシャル)
読了日:10月31日 著者:石塚 真一,NUMBER8
BLUE GIANT SUPREME (11) (ビッグコミックススペシャル)BLUE GIANT SUPREME (11) (ビッグコミックススペシャル)
読了日:10月31日 著者:石塚 真一,NUMBER8
青春鉄道 2021年度版 (MFコミックス ジーンシリーズ)青春鉄道 2021年度版 (MFコミックス ジーンシリーズ)
読了日:10月28日 著者:青春
文庫版 ヒトごろし(下) (新潮文庫)文庫版 ヒトごろし(下) (新潮文庫)感想
何故、ヒトごろしをしてはいけないのか。武士と兵隊の価値観の違い。戦争の愚かさが人外の土方歳三を通して読者に投げ掛けられる。何人も殺してきた土方の最期は残酷で美しく、もう新撰組副長ではないのに土方にどこまでも着いていこうとした部下たちの気持ちがわかってしまう。果たして、土方は悪なのか何なのか、わからなくなってしまったが、土方自身がそんなことはどうでもいいよ一刀両断してそうだ。
読了日:10月28日 著者:京極 夏彦
文庫版 ヒトごろし(上) (新潮文庫)文庫版 ヒトごろし(上) (新潮文庫)感想
解説によると土方歳三像は長いこと『燃えよ剣』だったそうだが未読。幕末史はマンガの『大奥』と『銀魂』が知識の私が読んでよかったのか。ともあれ、自らを人外「ヒトごろし」と自認する土方歳三が「合法的にヒトごろしをするため」に近藤勇を担ぎ上げ新撰組を結成。いつしか鬼の副長と呼ばれ、滅びるまでが描かれた物語。ヒトごろしは悪なのに、大義名分があれば許される価値観が幕末を経て大きく変わる。自ら死のうとする者は殺さない等の土方歳三の論理は一貫していて間違っているのは世界の方だという気がしてくる。
読了日:10月28日 著者:京極 夏彦
35歳、働き女子よ城を持て!35歳、働き女子よ城を持て!感想
年収300万の契約社員がマンションを入手する!複数の専門家に取材した奮闘記。実用的なのだが、制度やデータはどんどん変わっていくので注意。独身でマンション住まい、家賃を払い続けるなら購入したいと考えてる人向け。所有者責任にも触れてほしかったなぁ。
読了日:10月27日 著者:高殿 円
中高年ひきこもり (幻冬舎新書)中高年ひきこもり (幻冬舎新書)感想
ひきこもり状態にあった男性が、加害者と被害者になった事件をきっかけに8050問題がクローズアップされた。世間が認識しているひきこもり像と実際の臨床の場及び統計データとの解離を中心に、ひきこもりに対するスティグマの払拭と家族の対応方法を語り下ろし形式で著した新書。専門用語はなく読みやすい。私が気になったのは、家族がひきこもり当事者を愛しているとの前提に立っているということ。家族だけで抱え込まないで欲しいと思った。
読了日:10月27日 著者:斎藤 環
金田一37歳の事件簿(8) (イブニングKC)金田一37歳の事件簿(8) (イブニングKC)
読了日:10月23日 著者:さとう ふみや
百鬼夜行抄 (28) (Nemuki+コミックス)百鬼夜行抄 (28) (Nemuki+コミックス)
読了日:10月23日 著者:今 市子
博物館ななめ歩き博物館ななめ歩き
読了日:10月23日 著者:久世 番子
空想クラブ空想クラブ感想
中学生の駿は、同級生真夜の訃報にショックを受け、事故現場の河原に赴く。そこには亡くなったはずの真夜がいた。幼い頃祖父から授かった「力」で真夜と会話ができる駿だったが、「空想クラブ」のメンバーには、見えず、声も聞こえなかった。…駿の「力」と「空想」の区別が分からない。隼人エピソードがなく万能すぎる。ルアーからの発想はやや無理を感じる。郷原の改心が都合よく見える等の気になる点はあるが、中学生の群像劇として楽しめた。
読了日:10月21日 著者:逸木 裕
夢魔の牢獄夢魔の牢獄感想
悠成は、夢の中で過去の人物に憑依する能力があった。ある日、未解決となっている悠成の友人たちの結婚式の夜に起きた、教師の灯子の義理の息子が殺害された事件の真相を探ろうと意図的に夢を見る悠成は、驚愕の真実を知る。…オチは西澤読者なら早いうちに気付くだろう。全体に漂う、背徳的な欲望、親しいようでいて本心は別のところにあるという人の心の暗部、夢で開示される情報の真偽も含めて夢うつつの仄暗い風景の中で展開する物語にどっぷり浸かるともう抜け出せない。読了後、夢見が悪かったです。
読了日:10月20日 著者:西澤 保彦
二百十番館にようこそ二百十番館にようこそ感想
二十代後半で自宅警備員のHN「刹那」はある日親に捨てられる。文字通り、叔父から相続されたという孤島の建物と幾ばくかの現金を持たされ、船から降ろされた。幸い無人島というわけではなく、限界集落ではあるが島民から親切にされ、暮らしていた。「刹那」は、会社の保養所であった建物に二百十番館(ニート館)と名前をつけ、収入の足しにすべく、入居者募集をする。…何事もするするといい方向に物事が進みすぎだと思わないでもないが、そこは物語だからいい。孤島の建物だが殺人事件は起こらない。
読了日:10月19日 著者:加納 朋子
中古典のすすめ中古典のすすめ感想
60~90年代のベストセラーを斎藤美奈子が現代の視点で捉えなおす。作者は言ってないが、古本屋で大量破棄されるこれらの本の価値が今再び見直されるならそれに越したことはない。今の感覚だと、かなり固い本がベストセラーになっていて驚く。私は世代がずれているので既読のものは少なかったが、読み物として面白かった。同時代評は貴重で「ブンガク」でないとなかなか表に出てこない。インターネットもまだ普及していなかった時代のこと、こういう中途半端な本(中古典)評は大事だと思う。さて、後世に残るのはどれかな…?
読了日:10月19日 著者:斎藤美奈子
Another 2001Another 2001感想
再び3年3組。「怪異」に立ち向かうべく「対策」を設けるがそれでも「怪異」は始まってしまう…。…特に鳴の思わせぶりには何度もイライラさせられるが、こういう物語だと、読みながら思い出した。3分の2くらいのところで物語にある程度決着がついてしまい、そこから先にテンションを維持するのが難しかった。鈍器の割には軽いので、読めるなら一気に読んでしまうのが吉。次は多分、あの子が主人公で、作者は最終巻と言っているから…次が楽しみです。
読了日:10月18日 著者:綾辻 行人
デンジャラス (中公文庫 (き41-2))デンジャラス (中公文庫 (き41-2))感想
谷崎潤一郎と周りの女性たちの物語。必ずしも全部が事実ではなく、同時に桐野夏生の作品でもある。主人公が重子であるからか、同時代作家との比較はされないが、谷崎自身にも、健康の衰えの他に、時代が大きく変わっていくことへの焦りのようなものを感じた。そして、小説家・桐野夏生が描くことで、時に暴君として描かれる作家の、作家たる矜持が垣間見える。家事は女中に任せて夫に仕える重子と家事も育児も自ら行おうとする千萬子。しかしどちらが幸せかというのは比べようもなく、そんな女たちを作家の目で冷徹に見る谷崎が浮かび上がってくる。
読了日:10月15日 著者:桐野 夏生
詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)
読了日:10月15日 著者:吉田 秋生
指差す標識の事例 下 (創元推理文庫)指差す標識の事例 下 (創元推理文庫)感想
真実より、地位や名誉が重んじられる。現代では考えられないことだが、そのことを嫌でも思い知らされる。身分や宗教と縁遠い我が身にはなかなか理解しづらい。
読了日:10月14日 著者:イーアン・ペアーズ
指差す標識の事例 上 (創元推理文庫)指差す標識の事例 上 (創元推理文庫)感想
英史の知識と興味がないと、ただ冗長な『藪の中』。
読了日:10月14日 著者:イーアン・ペアーズ
ちはやふる(45) (BE LOVE KC)ちはやふる(45) (BE LOVE KC)
読了日:10月14日 著者:末次 由紀
七つ屋志のぶの宝石匣(12) (KC KISS)七つ屋志のぶの宝石匣(12) (KC KISS)
読了日:10月14日 著者:二ノ宮 知子
神は細部に宿るのよ(6) (ワイドKC)神は細部に宿るのよ(6) (ワイドKC)
読了日:10月14日 著者:久世 番子
さらさら流る (双葉文庫)さらさら流る (双葉文庫)感想
会社員の菫はある日、別れた恋人が撮ったヌード写真がネットにアップされていることに気付く。深く傷つきながらも周囲の助けを借りて問題に立ち向かっていく菫。一方、元恋人の光晴は画像流失の心当たりがなく、周囲を探し始める。…光晴はクズ野郎だが、画像流失の直接的な犯人ではないことからいまいち憎めない。一方菫の持つ資源の豊富さに嫉妬してしまう自分もいて、リトマス試験紙のような作品だと思った。自分の心の暗部に、否が応でも向き合わされる。
読了日:10月11日 著者:柚木 麻子
歓喜の歌 博物館惑星3歓喜の歌 博物館惑星3感想
博物館惑星シリーズ最新巻であり、最終巻?二巻ではまだ頼りなかった健が、相棒ダイクや諸先輩方の力を借りながら、美のお巡りさんとして確実に成長していく。人の寿命を越えて存在し続ける美術品。それに付き物の贋作。作った人間の心は醜いが、出来たものが多くの人の心に訴えかけるとしたら、物に罪はないのか?…最終章のフェスティバルの場面は自然と落涙。こんな素敵なお祭りが、実現したらいいな。遠い未来のことでもいいから。
読了日:10月10日 著者:菅 浩江
噂 殺人者のひそむ町 (集英社文庫)噂 殺人者のひそむ町 (集英社文庫)感想
シングルマザーのジョアンナは息子の学校トラブルの影響でロンドン郊外の田舎街に越してきた。ジョアンナがかつて住んでいたこの街に、40年前の凶悪犯が潜んでいるという噂が流れる。過去を偽って暮らしているのは誰か?疑心暗鬼になる住民の間で嫌がらせが勃発。噂を広めたジョアンナにも謎の魔の手が忍び寄る。…いかにもありそうな舞台設定とフーダニットでぐいぐい引き込まれた。普段は理性的で有能なのに息子のことになると視野狭窄になり、いけないと思いつつ噂を広める役になってしまうジョアンナの気持ちはとても共感できる。
読了日:10月07日 著者:レスリー・カラ
罪人が祈るとき (双葉文庫)罪人が祈るとき (双葉文庫)感想
息子がいじめが原因で自殺。妻も精神を病み、後を追った。残された風見は息子をいじめていた加害者を探るが、罠にかかり、息子が暴行を受けている動画を見せられる。何もかも失った風見は復讐を果たす。…ここまでされて、情状酌量の余地はないのか?自殺した息子のいじめの実態を把握していなかったか隠蔽しようとした学校の責任は?加害者の一人である竜二は虐待を受けていたがその事を見過ごされていたことも要因の一つではないか?もう一人殺したエピソードは蛇足に感じたし世論が風見を糾弾するばかりというのも違和感。結局やったもん勝ち?
読了日:10月06日 著者:小林 由香
その裁きは死 (創元推理文庫)その裁きは死 (創元推理文庫)感想
ホームズ好きなら。
読了日:10月04日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ
紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)感想
『屍人荘の殺人』もそうだったけれども「探偵」という物語の役割について、それを「生き方」として突き詰めるのが最近の本格のトレンド(死語)なのか。山火事が迫る館に集まった怪しい人々。当然(?)起こる殺人事件と過去の連続殺人事件との関連。事故か殺人か?探偵が複数という状況、山火事から逃れる術が絶たれていく危機感。悩む探偵、やる気のない(?)探偵と臍を噛むしかないワトソン。色々とツッコミどころはなくもないが、個人的には更生とは、私刑は許されるのか?嘘は罪なのか?(これは探偵葛城が生涯背負っていく)が内包されていた
読了日:10月03日 著者:阿津川 辰海
キャプテンサンダーボルト 新装版 (新潮文庫)キャプテンサンダーボルト 新装版 (新潮文庫)感想
幼馴染の二人はかつて野球少年であり、エースとキャプテンだった。再会した二人は致死率70%の「村上病」の謎に迫る!…伊坂作品は全て読んでいるけれどこれは合作ということで手を出しかねていたがこの度新装版として発売されたことをきっかけに読んでみた。そして、未読だったことを後悔した!コロナ以前に描かれた物語だが、謎のウィルスとそれに纏わる謎、国家の目的とは等々、あくまでもエンタテインメントでありながら、面白く、ページをめくる手が止まらなかった。
読了日:10月02日 著者:阿部 和重,伊坂 幸太郎
名探偵のはらわた名探偵のはらわた感想
原田亘略してはらわた。尊敬する探偵浦野灸の元で助手を務めていたが、亘の遠因により浦野は命を落とす。そんな亘の元に死んだはずの浦野が現れ、明治生まれの名探偵、古城と名乗る。昔の大事件の犯人たちが、地獄から甦り、現代で残忍な犯行を繰り広げていた。古城は事件解決に乗り出す。その中で、亘も成長していく。…帝銀事件阿部定津山三十人殺し等、実在の事件の犯人が現代に甦り、同じく地獄から舞い戻った名探偵が解決する。手法はあくまでもフェアで本格。はらわたこと亘の成長譚ともなっており、読後は案外(?)爽やか。
読了日:09月29日 著者:白井 智之
さよならの言い方なんて知らない。4 (新潮文庫)さよならの言い方なんて知らない。4 (新潮文庫)感想
香屋の目的は、架見崎の永遠の存続。そのために平和的に世界が維持されること=楽園になることを目論む。けれど、そもそも運営にはその想定がなく、コスト面でも不可能だとしたら。香屋の目的は、現実で死んでいるトーマを架見崎で生かし続けること。そして香屋自身も架見崎に居続けること(自由に行き来できること、かもしれない)。トーマは香屋の考えに賛同していて、QEDのために敵対するのだろう。そしてそもそも運営の目的は?現実が、架見崎のサバイバルを勝ち抜いた人しか生きられないような世界に変わってしまっているということ?
読了日:09月28日 著者:河野 裕
私の中にいる私の中にいる感想
デビュー作と比べて猟奇的な感じは控えめ。児童…所謂虞犯少年に正面から取り組んだ作品。刑務所ではないがそれなりの規則に従うことを強いられる環境に置かれる虞犯少年。贖罪とは、生きづらさとは、虐待の連鎖とは、社会のルールの意味とは何か。 作者は覆面作家であり、福祉職の経験があると見積もっていたが、心理職だったかも。嘘っぱちないし表面をなぞっただけの福祉をテーマにした小説が散見される昨今であるが、これは読む価値ありです。
読了日:09月28日 著者:黒澤 いづみ
刑事何森 孤高の相貌刑事何森 孤高の相貌感想
デフ・ヴォイスシリーズの初スピンオフ。何森刑事の活躍を描く。こちらも作品の通奏低音は本シリーズと同じで、社会的弱者がそれを理解されないままでいる状態に、何森が一石を投じる形となっている。とはいえ孤高を気取る(?)何森にも、みゆきや元監察官のキャリアなど意外に味方は多いので安心。それは、あくまで正義に準じ、社会的弱者に対しても偏見なく正しい物の見方ができる何森が評価されているからと信じたい。中編の最終話、桐子のエピソード不足は感じたが概ね満足。
読了日:09月28日 著者:丸山 正樹
NHKスペシャル ルポ 車上生活 駐車場の片隅でNHKスペシャル ルポ 車上生活 駐車場の片隅で感想
2019年11月にクローズアップ現代+で放映された番組の取材記。私は番組は見ていない。本書は、丁寧な取材を通して福祉の専門家や行政にも認識されていない車中生活者の実態に迫っているが、問題提起!と鼻息荒く描くのではない取材者のフェアな姿勢に好感を持った。車中生活者は必ずしも支援が必要な人ばかりでなく、支援って何なのかと考えさせられた。人間関係に問題を抱える人が多いのが共通項だろうか。本人が好きでその生活をしているならそれでいい…と言い切れないモヤモヤが残る。
読了日:09月27日 著者:NHKスペシャル取材班
ウィトゲンシュタインの愛人ウィトゲンシュタインの愛人感想
地上に残された最後の女性がタイプライターで綴る…物語?哲学的思考?そもそも、地上の最後の一人という前提から彼女の妄想ともとれる。全てが一人称で事実と思考(妄想?)の区別はないので。統合失調症の妄想を学術的にして小説の体裁を取った、とも読める。まぁ要するにそんな本。としか教養のない私には理解出来ず。
読了日:09月27日 著者:デイヴィッド・マークソン
龍探 特命探偵事務所ドラゴン・リサーチ (角川文庫)龍探 特命探偵事務所ドラゴン・リサーチ (角川文庫)感想
元警察官で私立探偵の遊佐龍太は×3のシングルファザー。しっかり者の息子の渉は実質、元妻たち(仲良し)が面倒を見ている。この設定だけでお腹一杯。請け負う事件は、経験と人脈を活かして、警察が表沙汰にできないもの。遊佐は依頼人を守りつつ事件の裏の裏まで暴いていく。…事件が複雑だからか、物語がわかりづらいのは、人称の揺れのせいか。意図的なのかは不明。あと、この小説に限らないが、実在の地名をかなり細かいところまで出すことで実写映画のようなリアリティーがある。
読了日:09月25日 著者:長沢 樹
警察用語の基礎知識 事件・組織・隠語がわかる! ! (幻冬舎新書)警察用語の基礎知識 事件・組織・隠語がわかる! ! (幻冬舎新書)感想
作者は本格ミステリ作家にして元警察官。小説の、読む人を選ぶようなイメージとは真逆で分かりやすく興味深い講義を聞いているような一冊だった。警察小説好きなら教養(教育訓練に非ず)として可。特に、メディア用語、小説やドラマで頻出の表現と本職との違いが面白かった。ちょいちょい毒というか組織の苛烈さがかいま見えるのもいい。十津川警部古畑任三郎への言及も面白かった。個人的に、これ読むと相棒がより分かりやすい!(相棒では警察庁のことを「サッチョー」って言うけどこれは舞台が警視庁だからってことを理解した!)
読了日:09月25日 著者:古野 まほろ
鬼灯の冷徹(31) (モーニング KC)鬼灯の冷徹(31) (モーニング KC)
読了日:09月23日 著者:江口 夏実
喪われた少女 (小学館文庫)喪われた少女 (小学館文庫)感想
老後の生活安定と、能力に見合った評価を求めるベテラン女刑事フルダ、50歳。正義感はないとは言わないが、いけ好かない上司の出世のきっかけになった事件が冤罪だったことを知り内心ほくそ笑む腹黒さもある。三部作の二作目だが、これだけ読んでも問題ない。前作を読んでいると、身を持ち崩した元アイドルの全盛期の映像を鑑賞しているような居たたまれなさを感じるし随所にそれが意図的に配分されているようだ。 ともかく、美しくも厳しく、時に孤独を感じさせ、簡単に人の命も奪ってしまうアイスランドの特異な自然環境。
読了日:09月22日 著者:ラグナル ヨナソン
阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし (幻冬舎文庫)阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし (幻冬舎文庫)感想
TVだけでは分からない二人のホンネ全開のエッセイ。姉妹の小説も読めてお得!ミホさんの天才ぶり。エリコさんのしっかりしているようで抜けてるところ。ご近所のいい人たちと美味しそうなごはん。6畳一間で同居からの別居。盛りだくさんで面白くてちょっと泣ける。ミホさんの小説が何気に気に入りました。オチまであってすごくよかった。また書いて欲しい‼
読了日:09月22日 著者:阿佐ヶ谷姉妹
忘れる女、忘れられる女 (講談社文庫)忘れる女、忘れられる女 (講談社文庫)感想
週刊現代2016~2017年の連載。バブル世代の筆者の感覚は私自身とは異なるがそこはさすがにベテラン文筆業。自らを客観的に見つつ、当たり障りなく(炎上しないように)言いたいことを短い文章にまとめるのはさすが。さほど大昔でもないため時事ネタはある程度記憶にあり、ちょっとしたタイムスリップ気分。まして今やコロナ問題でたった3年前には当たり前だったことが色々不自由になったことを実感させられたり。しかし、欲求を最初からなかったことにする、や、トップに立つ女性が独身小梨であることの問題など鋭い指摘も読みごたえあり。
読了日:09月22日 著者:酒井 順子
本日はどうされました? (集英社文庫)本日はどうされました? (集英社文庫)感想
イヤミス」ゆうには「ミス」は弱いしホラーと言える程でもない。語り手のオチもいまいちで題名もミスマッチ。とはいえ、看護師の陰湿な世界…同調圧力というか、集団の負の要素がこれでもかと描かれていて、大変嫌な気持ちになれたのでよかった(笑)。O病院事件と同様の事件が、E病院でも起きたのか?というところがぼやけてしまって、Mさんを掘り下げる方向に行ってしまったのが不自然。Mさんの過去よりE病院内部の取材を進めて欲しかった。一人くらいは男性看護師がいるかと想像したがそれは深読みだったようだ。
読了日:09月21日 著者:加藤 元
【第163回 直木賞受賞作】少年と犬【第163回 直木賞受賞作】少年と犬感想
多聞という犬が、様々な人と出会い、助け、助けられながら、ある少年と再会するため日本を縦断する物語。猟師の老人が言うように多聞は死の匂いを嗅ぎ付けているのかも知れないと思った。けど、多聞は死期が近い人が分かって、助けようとしているんだと気付いた。それは多分、震災で飼い主も含めて大勢の人を助けられなかったからじゃないのかと思う。光はまた犬を飼うのかな。そうして欲しいな。
読了日:09月21日 著者:馳 星周
禁じられたジュリエット禁じられたジュリエット感想
文庫化記念再読。初読時は畳み掛けられるどんでん返しに目を白黒させたのを思い出した。拷問が何気にトラウマになりそう。6作のチョイスもなかなか微妙で面白い。
読了日:09月21日 著者:古野 まほろ
スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)感想
鷹央と小鳥の出会い編。小鳥と鷹央のよき理解者であった沖田救急医が殺される。犯人は宇宙人から指令を受けたと言っており、沖田は娘が新興宗教に入れ込んでいることを悩んでいた…。エピソードてんこ盛り、見せ場も多く、もっとページ数があってもよかったんじゃないかと思えるほど。鷹央に対する小鳥の気持ちはこれから少しずつ変化していくのだろう。人の生と死という答えのない領域に踏み込んで行く鷹央のよきパートナーになって欲しいです。
読了日:09月20日 著者:知念 実希人
もし今夜ぼくが死んだら、 (ハヤカワ・ミステリ文庫)もし今夜ぼくが死んだら、 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
高校生のウェイドが母親のFBに遺書を書き込むところで始まるサスペンス。彼に何があったのか、シングルマザーのジャクリーン視点で描かれる。一気読みだった。過去がどこまでも付きまとい噂があっという間に広まるムラ社会の残酷さ、没落した歌手に対する心ない仕打ち。機能不全家族。シングルマザーの奮闘と後悔。いじめ。これらがSNSで更に拡散されていく様子に、真実は何なのかと同時に、ジャクリーン一家はどうなってしまうのかとハラハラさせられた。パールのエピソードもとても印象的で、彼女の続編の構想があるようで楽しみ。
読了日:09月20日 著者:アリソン ゲイリン
ロイヤル・シークレット (モノクローム・ロマンス文庫)ロイヤル・シークレット (モノクローム・ロマンス文庫)感想
初翻訳BL。特に内容は確認しないで適当に選んだものだが、題名のロイヤルは英のロイヤルファミリーのことだったとわ!日本に置き換えてみるとその時点で思考停止してしまうが、翻訳ということもあり、ファンタジーのように読めた。同性愛に対する周囲の反応も好意的だが、現実そうなのか、設定なのかは不明。王子様とのロマンス物語で、これが男女ならシンデレラストーリーだけれどもプライバシーが一切ない王族の苦悩が種々な人の立場から描かれていたのが印象的だったし最後の最後でハッピーエンドで本当によかった。やっぱBLはこうでなくては
読了日:09月19日 著者:ライラ・ペース
もう終わりにしよう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)もう終わりにしよう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
交際中の彼の実家に向かう「私」は、しかし、この関係をもう終わりにしようと思っていた…。…こんなにモヤモヤが残る小説とは思わなかった。早くから信用できない語り手だとは気づいたものの。全体に漂う不気味さ、得体の知れない感じを堪能するのが吉。オチにあまり期待するとあれ?ってなるかも。
読了日:09月19日 著者:イアン・リード
悪党町奴夢散際 (幻冬舎時代小説文庫)悪党町奴夢散際 (幻冬舎時代小説文庫)感想
電書版。町奴と旗本奴は今で言うヤクザ…というよりチンピラか。陰謀あり仇討ちあり男装の剣豪あり皿を数える幽霊ありと魅力的なキャラが切った張ったをするのは爽快…だけれどもそれだけで終わらないのが乾緑郎。十郎の母が旗本奴と町奴の区別がつかないというエピソードはさらっと書いているが残酷な話だしそこかしこに個人的な資質ではなく身分で何もかも決まってしまう世界が描かれている。正に、夢散際。
読了日:09月18日 著者:乾 緑郎
T島事件 (光文社文庫)T島事件 (光文社文庫)感想
孤島もの、というよりは、フィクションとノンフィクションの境目の曖昧さに浸っているうちに詠坂ワールドに連れてかれた感じ。
読了日:09月18日 著者:詠坂 雄二
早房希美の謎解き急行 (双葉文庫)早房希美の謎解き急行 (双葉文庫)感想
大手私鉄社員の希美が、鉄道にまつわる謎を解いていく連作短編集。祖父が名刑事で警察の人脈をも使って事件を解決していく希美には素直に好感が持てる。5編のうち、白眉は最初の踏切事件。次の3つは…?と思ったが最後はとびきりハートフルな物語で締めてくれた。個人的にはもう少し鉄道うんちくがあってもいいな…と。通勤時、電車の中で読むのがおすすめです。
読了日:09月16日 著者:山本 巧次
わたしの幸せな結婚 四 (富士見L文庫)わたしの幸せな結婚 四 (富士見L文庫)
読了日:09月14日 著者:顎木 あくみ
昨日星を探した言い訳昨日星を探した言い訳感想
河野裕の小説は、読了後に振り返ると、この枚数必要?って思うけど、じゃあ一言で言うと…?まとめられないのでやっぱりこの枚数は必要だったんだろう。 茅森と坂口の関係は、階段島の真辺と七草の関係と似ているようにも見える。 自分の年齢のこともあり高校生よりは教員に感情移入してしまう。すると、中川や橋本はずいぶん幼く、大人げなく、身勝手に見える。相思相愛だった二人を、遺作の脚本のことで仲違いさせて8年も経って種明かししたのは何故。17歳からの8年間てかなり貴重だと思うが。どうか。
読了日:09月13日 著者:河野 裕
パーキングエリア (ハヤカワ・ミステリ文庫)パーキングエリア (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
吹雪の山荘ならぬパーキングエリアで起きたのは雪密室殺人ではなく少女誘拐事件。運悪く居合わせた女子大生のダービーはヴァンに監禁された少女を救おうと奮闘する。…一気読み必至のサスペンス!誘拐はダービーの気のせいでは?と思わせる冒頭から、車の数から容疑者を特定していく過程。味方と敵もあやふや。助かった!と思うとすぐに敵が反撃してくるイタチゴッコで双方が追い詰められていく。細かいところまで張り巡らされた伏線に最後の最後の一行まで目が離せない(しかしエピローグはちょっとずるい)映像化の話もあるようで楽しみ。
読了日:09月13日 著者:テイラー・アダムス
殺人の品格殺人の品格感想
北朝鮮の高級官僚だったチュンシクの人生は、父がスパイ容疑で処刑されたことから転落する。しかし、官僚時代に身に付けた技術を駆使して脱北を図る。家族を失いながらも逃走中に出会った同胞と共に韓国を目指す。何度も裏切りにあい、危機を乗り越えるチュンシクだったが、韓国も彼に安全を与えてはくれなかった。…壮絶。21世紀に人が人糞を食べ、餓死していく国。幼い息子の、テレビが見たいというあまりにもささやかな願い。中国も韓国も彼を裏切り、救ったのは国連軍(アメリカ)という皮肉。決して他人事でないと思うのは、既得権益を守るた
読了日:09月13日 著者:イ・ジュソン
おれの眼を撃った男は死んだおれの眼を撃った男は死んだ感想
アンティグア・バーブーダにルーツを持つ作家による短編集。独特の味わいがあり、時代設定や構成が凝っている。のはいいけれど説明は極力省かれているので正直なところ物語の背景を理解できないうちに読み終わってしまったこともしばしば。そういう意味では親切設計ではないので、解説から先に読んだ方がいいかもしれません。
読了日:09月12日 著者:シャネル・ベンツ
ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱 (ディアプラス文庫)ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱 (ディアプラス文庫)
読了日:09月12日 著者:菅野 彰
罪人の選択罪人の選択感想
表題作は石持浅海を思わせるシチュエーションの短編。罪人の前に与えられた二つのもの。さて、毒入りはどっちだ?処刑者と罪人の文字通りの命がけのやり取りはその行方も含めて手に汗握る。他3編はSF。なのでミステリ系を期待するとちょっとがっかり。
読了日:09月10日 著者:貴志 祐介
キッズライクアスキッズライクアス感想
マーティンは、自閉症スペクトラム障害のある高校生。アメリカを離れて、フランスでひと夏を過ごすことになった彼が、リセで得た友達、恋人との間で今まで知らなかったことを知り、体験していく。…マーティンは現実をプルーストの『失われた時を求めて』を介して認識する。生じる齟齬を、読者はハラハラして見守ることになる。マーティンの、自分以外のものにならなければならないのか?という問いは、障害の有無に関わらず、誰もが心を突かれるのではないか。この素敵な物語を、読むことができて本当によかった。
読了日:09月10日 著者:ヒラリー・レイル
ルポ 闘う情状弁護へルポ 闘う情状弁護へ感想
ルポであってノンフィクションではないのだが、著者の主張が見えづらいのと、種々専門家のインタビューや再掲が多くてコラージュを見ているよう。どんな層に向けた本なのかも見えづらい。ある程度福祉プロパー向けだとしたら制度の説明はいらない。事件についてもっと掘り下げて欲しかった。
読了日:09月06日 著者:佐藤幹夫
新生ヘルプマン ケアママ! Vol.1新生ヘルプマン ケアママ! Vol.1
読了日:09月06日 著者:くさか里樹
ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS)ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS)感想
メインの物語はケラーなのだけれど、やはり印象的なのは移民のニコ少年と囮捜査官のシレロだろう。ニコが命懸けで故郷を捨て、紆余曲折あり再びアメリカで同じような境遇に陥る。これはマッチポンプじゃないか?そして、悪徳警官を演じるシレロは心が張り裂けそうに苦しむ。彼の苦しみをケラーも理解しているのがまだ救いだろうか。暴力的なシーンも多いが本当に怖いのは銃や麻薬そのものではない。それらは道具でしかなく、それを受け入れ、利用し、複雑な機構に組み込んでしまう社会そのものが怖いと思った。
読了日:09月06日 著者:ドン ウィンズロウ
ザ・ボーダー 上 (ハーパーBOOKS)ザ・ボーダー 上 (ハーパーBOOKS)感想
冒頭、2017年、ケラーが標的の狙撃のシーンから始まる。生死の行方も不明なまま、物語は2012年の密林へ戻る。…長かった…!読了した自分お疲れ様。主人公ケラーはメキシコの麻薬組織撲滅のため、時には違法な手段をとり、多くの協力者を得、そして失いながら果てしない戦いを続けていく物語。とにかく長すぎて誰が誰だか、ケラーは一体何と戦っているのか、訳が分からなくなってしまったら、下巻の最後、公聴会のケラーの発言を読めばいいです。本作だけでなく、前、前作も含めてあらすじをケラー自身が語ってくれます。
読了日:09月06日 著者:ドン ウィンズロウ
オニキスII ―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子― (新潮文庫nex)オニキスII ―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子― (新潮文庫nex)
読了日:09月05日 著者:古野 まほろ
ときどき私は嘘をつく (講談社文庫)ときどき私は嘘をつく (講談社文庫)感想
再読必至!…アンバーが目覚めると、そこは病院のベッドの上だった。意識はあるが指一本動かせず記憶も欠落している彼女は見舞いに訪れる夫ポールや妹クレアの会話を必死に聞き、思い出そうとする。小説は現在と過去を行きつ戻りつして、アンバーの夢とも現実ともつかない世界を読者に見せ、翻弄する。真実は一体何なのか?…「信用できない語り手」ジャンルの中でも相当の難物。読みながらこちらの頭がおかしくなっていきそうだった。さて、アンバーの嘘とは。
読了日:09月04日 著者:ALICE FEENEY
死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)感想
人望厚いベテラン刑事が殺された。現場に現れたのは殺された刑事の教え子だった羅飛。エウメニデスを名乗る犯人はターゲットに死亡通知書を送り、インターネットで公開する。18年前の警察学校の生徒が殺された事件に関わっていた羅飛。警察内部に犯人はいるのか、羅飛は何を知っているのか…。良くも悪くも刑事ドラマのスペシャル版という印象。最後にもたつくがそれまでは勢いよく読める。とはいえ大いなる序章という形で物語は終わるのでそこは覚悟して読まれたし。登場人物は多いが掘り下げが浅いこと、刑事の倫理観が今一つなのは気になった。
読了日:09月04日 著者:周 浩暉
影を呑んだ少女影を呑んだ少女感想
シングルマザーの母の死をきっかけに父の屋敷へ引き取られた娘のメイクピース。そこで幽霊を憑依できる一族の秘密と、当主に憑依して先祖が永遠に生き続けていることを知る。下働きをしながら機会を伺い、脱走したメイクピースは先祖の霊にとりつかれた腹違いの兄を救うべく奔走する。しかし、彼女には兄にも打ち明けていない秘密があった。…清教徒革命時代のイギリスを舞台に、一風変わった少女の成長譚が描かれる。憑依と向かい合い、共存の道を選ぶのは、多様性の尊重、社会的包括を思わせる。ジュブナイルらしくボリュームの割に読みやすい。
読了日:09月03日 著者:フランシス・ハーディング
我らが少女A我らが少女A感想
12年前、早朝の公園で老女が殺された事件。池袋で殺された被害者がその事件の重要参考人として浮かび上がる。捜査を再開する警察に、関係者は否応なしに12年前に時間が巻き戻る。…少女Aこと朱美とは何者だったのか。今も昔も端から見れば恵まれた暮らしを送る真弓は嫉妬と優越感の狭間で揺れていた。浅井家は機能不全家族の中でそれぞれがすれ違っていた。曾てのバスケ少年小野は絶ち切られた初恋の思い出を消化できない思いを婚約者から責められマリッジブルーに陥る。白眉は忍のガラケーの古い写真が共有されていくところ。
読了日:08月30日 著者:髙村 薫
時計仕掛けの歪んだ罠 (小学館文庫)時計仕掛けの歪んだ罠 (小学館文庫)感想
捜査官のベリエルが部下にセクハラ野郎だったりと癖がありすぎてなかなか物語に入って行けなかった。それでもこいつが天才の片鱗を見せるかと思いきやただの弱腰野郎だと気づいてからが断然面白い。というか主人公はモリーがよかった。二人が捜査を開始して無事少女を救出する…が、最後の数ページがむしろここがメインなんじゃないかと思うくらいゾッとするシーンで終わる。うわーやべー、面白いの読んじゃったよーと茶化なさいとやってられないくらいに。
読了日:08月30日 著者:アルネ ダール
彼女たちの部屋彼女たちの部屋感想
感動するべきなんだろう。感動しなかった訳ではない。が、私的な趣味まで福祉から離れられないのは、精神衛生上、よくない気がした 
読了日:08月25日 著者:レティシア コロンバニ
殺し屋、続けてます。殺し屋、続けてます。
読了日:08月23日 著者:石持 浅海
大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店 (3) (ゼノンコミックス)大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店 (3) (ゼノンコミックス)
読了日:08月21日 著者:猫原ねんず,新久千映
ワカコ酒 (15) (ゼノンコミックス)ワカコ酒 (15) (ゼノンコミックス)
読了日:08月21日 著者:新久千映
きのう何食べた?(17) (モーニング KC)きのう何食べた?(17) (モーニング KC)
読了日:08月21日 著者:よしなが ふみ
念入りに殺された男 (ハヤカワ・ミステリ)念入りに殺された男 (ハヤカワ・ミステリ)感想
自分が殺した男性作家の死体を始末して彼に成り済ます。その後どう決着をつけるつもりか?という結末も含めて面白かった。分量もちょうどよかった。…が、突っ込みどころも多い。シリーズ化するらしいが…うーん?
読了日:08月20日 著者:エルザ マルポ
ミッシング・ガール (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)ミッシング・ガール (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
認知症の父が「あの娘を見た」と言った。それを聞いたニックは捨てたはずの故郷に向かう。…ある言葉から故郷に帰らされるのは『渇きと偽り』もそうだが、この作品の特徴は特殊な構成にある。故郷では、10年前にニックの親友コリーンが行方不明になっていた。ここで読者は「あの娘」とはコリーンのことであるとわかるが、次は2週間後、別の若い娘が行方不明になり、しかも遺体で発見されたシーン。そして第二部はその空白が、15日目から遡って描かれる。。ニック、兄、元彼、そして父はどのように関わっているのか。
読了日:08月19日 著者:ミーガン・ミランダ
わたしの全てのわたしたち (ハーパーコリンズ・フィクション)わたしの全てのわたしたち (ハーパーコリンズ・フィクション)感想
ティッピとグレースは坐骨結合体双生児。二人のの約8か月を、グレースの視点から、自由詩の形で描かれた物語。作者は、アイルランド出身のサラ・クロワッサン。日本ではあまり馴染みのない形式だが、ジュブナイルというジャンルと合わさって、とても読みやすいのに、深く、何度も開きたくなるような本になっている(装丁も素敵)。翻訳文学の詩の位置づけは、日本人の感覚とはかなり異なる気がする。「わたし」って何だろうと、考えたことがある人は、一度このふたりでひとりを生きているティッピとグレースの物語に触れてみて欲しい。
読了日:08月16日 著者:サラ クロッサン
おひとり様物語(9) (ワイドKC)おひとり様物語(9) (ワイドKC)
読了日:08月15日 著者:谷川 史子
つないで イエスかノーか半分か番外篇4 (ディアプラス文庫)つないで イエスかノーか半分か番外篇4 (ディアプラス文庫)
読了日:08月13日 著者:一穂 ミチ
ライフ・アフター・ライフ (海外文学セレクション)ライフ・アフター・ライフ (海外文学セレクション)感想
英国人のアーシュラが生まれて死んで、少し戻って死を回避して…を繰り返すループもの。小さい頃は事故や感染症だった死因がやがてWW1と2が勃発し、アーシュラだけでなく家族や友人の運命が否応なしに変わっていく…。ループというより転生的なのは本人に記憶も自覚もなく、意図的に転生を引き起こさない。のでSF的要素は薄く、そういうのが苦手な私も面白く読めた。草稿集を読まされているような気がしないでもないが、そのままこの幻想的な小説を楽しむのがいいんだろうな。
読了日:08月13日 著者:ケイト・アトキンソン
金魚屋古書店 (17) (IKKI COMIX)金魚屋古書店 (17) (IKKI COMIX)
読了日:08月12日 著者:芳崎 せいむ
日曜哲学クラブ (創元推理文庫)日曜哲学クラブ (創元推理文庫)感想
哲学者のイザベルはコンサート会場で二階席から若者が落下するのを目撃してしまう。事件(事故)をわすれられない彼女は独自に被害者の関係者とコンタクトを図る。…枝葉の多すぎるミステリ。哲学者であり始終思索に耽っている割には推理で特に特徴のないイザベルに魅力を感じられない。姪の恋愛に口出ししたり他人を見下して勝手で失礼な評価を下したり(しかもそれが間違っていたり)。姪の元恋人に懸想してる痛いオールドミス。ミステリ的には…余韻のあるラスト、かな。
読了日:08月11日 著者:アレグザンダー・マコール・スミス
初恋の世界 (8) (フラワーコミックスアルファ)初恋の世界 (8) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:08月07日 著者:西 炯子
ザリガニの鳴くところザリガニの鳴くところ感想
少女カイアは次々と家族が去ってもそこで自然と共に暮らし続けた。村の人々から「湿地の少女」と蔑まれながらも一人の少年テイトから読み書きを教わり、瞬く間に知識を吸収していく。生物学の研究者になったテイトの薦めで集めた標本やイラストを元に湿地の生態を出版する。カイアは村の若者チェイスと恋に落ち、結婚を望んでいたが相手はただの遊びだったことを知る。別れを受け入れたカイアに転落死したチェイス殺しの容疑がかかる…。
読了日:08月05日 著者:ディーリア・オーエンズ
アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語
読了日:08月01日 著者:古田 靖
銀色の国銀色の国感想
自殺対策NPO法人代表の田宮はある日、以前の相談者博之が亡くなっていたことを知る。遺族から、死の直前に博之がVRゴーグルを片時も離さなかったことを知らされた田宮は自死の真相を探るべく活動し始める。同じ頃、生きづらさを抱え自殺未遂を繰り返し、SNSに「病みツイート」をアップする少女くるみはフォロワーからオンライン上の自助グループに誘われ、興味を持つ。…苦しんでいる人を救おうとする田宮と、苦しんでいるくるみが出会い、救われる姿に涙腺が緩んだ。
読了日:07月31日 著者:逸木 裕
風味さんのカメラ日和 (文春文庫)風味さんのカメラ日和 (文春文庫)感想
訳あって実家の地方都市に戻ってきた風味は友人から頼まれ、市民大学のカメラ講座に参加することになった。イケメンだがどこか頼りない講師の知念だったが、写真を通して、参加者たちの心のわだかまりを解きほぐしていく。…カメラを始めたばかり、もしくは興味ある人に必携の小説。手練れのストーリーテラーが物語に乗せてカメラや撮影のコツをさりげなく教えてくれる。構図、絞りなど名前は知っていてもどういう時に、何のために使うのか?覚えることいっぱいで大変!となってるあなたにも知念先生が優しく寄り添ってくれます。続編ないんですか?
読了日:07月31日 著者:柴田 よしき
夜の向こうの蛹たち夜の向こうの蛹たち感想
美人作家の妙は出版社のパーティで見かけた新人作家橋本さなぎの秘書、初芝に魅かれる。二人の関係を訝しみ、初芝ゴーストライターではないかと探るが、二人の関係性は妙にも意外なものだった。…関係者総ビアンないしバイ。といっても物語の主眼はそこではなく、同性だろうが異性だろうが、愛するということ。自己を知り、その価値を正しく知ること、他者も同様に。他人が寄り添って生きることは依存なのか、女性の就業問題、SNSの危うさなど現代の多くの問題を孕んでいる。
読了日:07月30日 著者:近藤史恵
濱地健三郎の幽【かくれ】たる事件簿濱地健三郎の幽【かくれ】たる事件簿感想
今回もバラエティに富んだラインナップで楽しませてもらった。…心霊現象が絡む事件を探偵的手法で解決する物語。あれ、これって、小野不由美ゴーストハントだ!と気付いた。角川で文庫化したばかりなので是非どうぞ。最後の話はかなりホラーチックで映画の『来る』を思い出した。新キャラ登場か?今後に期待です。
読了日:07月29日 著者:有栖川 有栖
アメリカン・プリズン (潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス)アメリカン・プリズン (潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス)感想
刑務所とビジネスと、結びつきそうにない単語だと思っていた私は何と無知だったか。民営刑務所で職員として働きつつ潜入捜査を行った記者が見たのは、信じられないような現実。そして、アメリカが奴隷制度を手放す代わりに、囚人を労働者として扱う方法が取られていた歴史パートが交互に語られ、記者の体験している現実が決してその場だけの特殊なものではないことが理解される。あまりのことに何度言葉を失っただろう。刑務官としての仕事のストレスがピークに達した頃からの急激な展開は映画のようで、是非映像化してより多くの人に知られて欲しい
読了日:07月27日 著者:シェーン・バウアー
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)感想
診断の難しい症例を、天才医師が軽やかに暴く!というだけならいくらでも先例はあろうが、人気シリーズになるだけあって、細部まで気が利いてる。主人公の鷹央は自閉スペクトラムで姉を始め親族一同がその将来を心配している。母親は鷹央を生んで亡くなったかな?相棒との関係はお凉シリーズを彷彿させられるところはあるが、さて。第一話が最終話の伏線になっていて、鷹央にピンチが訪れそれを鮮やかに解くのも分かりやすくてよい。突っ込みどころはなくもないが、鷹央のミステリアスさに今後も気になってしまった。
読了日:07月26日 著者:知念 実希人
恍惚病棟 (祥伝社文庫)恍惚病棟 (祥伝社文庫)感想
1992年にノベルズで刊行された作品の二度目の文庫化。92年と言えば介護保険制度もまだ発足していなかったし、今で言う「認知症」は「痴呆」と呼ばれていた時代。…今から30年近く前の作品であるが、敢えて言えばヒロインの造形が古くさいくらいである。プロローグから圧倒的に読者を引き込む。立ち読みした人は即レジに行ってしまうだろう。私が特に感心したのは、30年近く前の作品であるにも関わらず、現代にも通じる先見の明に満ちた介護観が描かれていることだ。
読了日:07月26日 著者:山田正紀
ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)感想
シリーズ再始動。ゆうても本にまつわる謎を栞子が解いて…という物語の骨子は変わらず。今回は横溝編。私は角川横溝祭は経験していないけれども、ある程度の年齢以上の方は基本知識として「たたりじゃー」とか「スケキヨ」とかを知っている(今だと50代以上くらい?)。テレビですら顧みられない現代、国民の大半が観ている映画や読んだ小説、という文化はなかなか想像しづらいものもある。話が逸れたが一言言えば起こらなかった事件と言ってしまえばそれまでだし、たかが本で家族が断絶までするかね、と言ってしまうとシリーズ全否定になってしま
読了日:07月24日 著者:三上 延
サージウスの死神 (講談社文庫)サージウスの死神 (講談社文庫)
読了日:07月20日 著者:佐藤 究
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(10) (講談社コミックス)金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(10) (講談社コミックス)
読了日:07月18日 著者:船津 紳平
ビルマに見た夢ビルマに見た夢感想
終戦も近い第二次大戦のビルマを舞台に、日本人の軍人から見たビルマの姿を描く連作短編集。ともすれば暗くなりがちが物語だが、軍人風の奇妙な日本語を操る少年モンネイがどこかのんきな風を運んでくれる。日本とビルマ。近いようで遠いこの国の人々、宗教をはじめとする習慣を理解しつつも任務との間で苦悩する西隈の姿は、急速に国際化しようとしていく現代日本人の姿にも通じるものがあるように見える。正しさとは、相手の価値観を尊重して共存していくとはどういうことなのか。戦争に決着がついても、この問題の解決はまだ遠い。
読了日:07月18日 著者:古処 誠二
果てしなき輝きの果てに (ハヤカワ・ミステリ)果てしなき輝きの果てに (ハヤカワ・ミステリ)感想
舞台は薬物が蔓延るアメリカ・フィラデルフィア。警官のミッキーはドラッグ中毒者の遺体発見の知らせに、妹のケイシーではないかと怯える。幸い、妹ではなかったが最近見かけないことに気づき、探し始めるも一向に見つからず、一方、界隈では連続殺人に発展していた。…過去と現在を往復する書き方で、ミッキー姉妹の辛い生い立ちと、現在、シングルマザーとして仕事と育児を両立する困難さが描かれ、正直息が詰まるよう。ミッキーは真面目過ぎるほど真面目なのに上司からは疎まれ、相棒はろくでもなく、ベビーシッターは信用ならない。
読了日:07月18日 著者:リズ・ムーア
バスへ誘う男バスへ誘う男感想
前作「バスを待つ男」もよかったが、よりトラベルミステリらしくなり、都バス蘊蓄はもちろん東京の名所も知れる第二弾。こちらから読んでも差し支えないが第一弾のネタバレがあり。主人公の「私」も老害臭強かった前作よりある意味個性は薄くて安心。次があったら、彼らの行きつけの居酒屋も紹介してくれたら東京都バス名所案内小説として完璧。敢えて苦言を呈せば、探偵が予想外にキラキラネームなことと、謎解き部分のお粗末さだがこの小説にそこまで求めていないので大丈夫。
読了日:07月15日 著者:西村 健
闇という名の娘: The HULDA TRILOGY #1:DIMMA (小学館文庫)闇という名の娘: The HULDA TRILOGY #1:DIMMA (小学館文庫)感想
もやもやした読後感。全体的に杜撰。主人公の女刑事フルダの正義感の在り処が謎。優秀だったらしいがその根拠が見えない。急に辞めろという組織もどうかと思うし、フルダも優柔不断で彼氏といちゃつくのに夢中で重要な電話を無視して窮地に立たされる…けどそれくらいのリスクは優秀なら尚更想像しようよ。最後の事件の捜査も時間がないのにデートして寝坊したりと情熱があるのかないのか。ガラスの天井で出世できなかったと嘆いてるがそれだけじゃないような…。とはいえ最期はあんまりな気がするが、自業自得っちゃそうだし、
読了日:07月11日 著者:ラグナル ヨナソン
荒城に白百合ありて荒城に白百合ありて感想
聡明で美しい鏡子は会津藩の武士の娘。大地震の日、薩摩藩の武士の岡元に出逢ってからそれまで漠然と感じていた己の性質を知る。以降、親友の竹子を羨みながらもそのようには生きられない自分を知り、やがて嫁ぎ、子を産み生きてきた。折しも時代は幕末。聡明でな鏡子は会津藩の行く末は見えていた。いよいよ会津が滅びる時、岡元から手紙が届く…。『芙蓉千里』とはまた少し違うが鏡子は聡明で、聡明すぎて何にも心を動かされなかった。唯一の岡元とはしかし結局結ばれることなく終わるがしかし鏡子にとってはどちらも大した違いはなく。
読了日:07月11日 著者:須賀 しのぶ
たーたん (4) (フラワーコミックスアルファ)たーたん (4) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:07月10日 著者:西 炯子
人間に向いてない (講談社文庫)人間に向いてない (講談社文庫)感想
ニートがある日突然変異してしまう奇病。カフカは変異した者の視点で物語を紡いだが本作はその母親が主人公。おぞましい描写に目を背けたくなるが、これは社会が目を逸らしてきたことだと気付かされる。子育てに悩むシングルマザー。家族会の歪み。姿形は変わっても子供を見捨てられない母と父親との温度差。家族、幸せって一体何なのか。先日も子供がネグレクトの末に亡くなる痛ましい事件があったが、津久井やまゆり園の事件にも関連するテーマのように感じた。福祉職必読小説がまたここに誕生した。
読了日:07月09日 著者:黒澤 いづみ
修道女の薔薇 (創元推理文庫)修道女の薔薇 (創元推理文庫)感想
物語を理解できない。消えた修道女を探して欲しいという導入。アンジーがジョーナに会おうとしていたのは何故。そこで偶然、殺し屋イギーと再会してイギーはアンジーをうっかり殺してしまい、ジョーナを連れ去る。肝心のターゲットは殺し損ねて後日改めて。で、殺人の動機は市長が騙した投資家のうちの一人でその損失を補填させたかったから?ここんとこが一番分からない。アンジーが修道女になったのは、毒家族とイギーから逃れるため?アンジーが薔薇を愛して刺青まで入れたのは何故?市長や投資家の息子はただの変態?どうして心臓が必要だった?
読了日:07月08日 著者:キャロル・オコンネル
バスを待つ男 (実業之日本社文庫)バスを待つ男 (実業之日本社文庫)感想
同じ作者の長編ミステリ余りに酷かったので期待値ゼロだったが編集者が優秀なのかそれなりに楽しめた。杉江松恋の解説を先に読むと尚よい。ミステリでは定番のトラベルミステリだが最近流行りの路線バスを使っていて、且つ、長距離ではなく都内というのが面白い。更に、推理するのは自宅にいる妻なので、トラベルミステリと安楽椅子探偵の融合になっている。主人公=私は元刑事。典型的な老害キャラで全く好きになれないが、第二段が出たとこ見ると支持はあるのでせう。
読了日:07月06日 著者:西村 健
修羅の家修羅の家感想
第一章のインパクトがとにかくすごい。それだけじゃなくて最後まで読んだ時に第一章の意味が分かって二度美味しい(?)。筋運びに違和感は多々あるものの、全編に漂う暴力、グロテスクさ、不気味さが癖になり結局一気読み。そういうの弱い人は絶対やめた方がいいです。
読了日:07月04日 著者:我孫子武丸
カエルの楽園 (新潮文庫)カエルの楽園 (新潮文庫)感想
…別に私は憲法九条のためなら死んでもいいとは思ってないし、過去に日本が行ったことの事実を知りたいのであって自虐したいわけではない。事実をなかったことにしてひたすら米つきバッタみたいに謝って金払っておけばいいだろという態度が見え見えだから、いつまでも終わらないんじゃない?
読了日:07月03日 著者:百田 尚樹
文豪ストレイドッグス (19) (角川コミックス・エース)文豪ストレイドッグス (19) (角川コミックス・エース)
読了日:07月02日 著者:春河35
あの本は読まれているかあの本は読まれているか
読了日:07月01日 著者:ラーラ・プレスコット
盆土産と十七の短篇 (中公文庫)盆土産と十七の短篇 (中公文庫)感想
三浦哲郎という名前も『盆土産』という題名も知らなくても、あ、これ、教科書で読んだことある…と気づくのではないでしょうか。冒頭の『盆土産』をはじめ『とんかつ』等教科書掲載の作品を中心に編まれた作品集。書店で手に取った時、300ページに満たない本書は最近の弁当箱のような厚みに慣れた私たちには物足りなく感じるかもしれませんが、本書に収録の随筆を読むと、作者がどれほど短篇小説を愛し、何気なく見える文、ことばの一つひとつに作家の魂をかけて書いていたのかが分かる。『方言について』ば思わず声を出して笑ってしまったし
読了日:07月01日 著者:三浦 哲郎
健康で文化的な最低限度の生活 (9) (ビッグコミックス)健康で文化的な最低限度の生活 (9) (ビッグコミックス)感想
貧困ビジネス編。
読了日:07月01日 著者:柏木 ハルコ
ルポ 老人受刑者 (単行本)ルポ 老人受刑者 (単行本)感想
期待外れ。校正したのか疑わしい文章、焦点の曖昧さ、見え隠れする著者の偏見。方々に取材しているが、取材者の焦点が曖昧で聞くべきことが聞けていない。取材相手のキャリアや印象の記述はあるが何の目的で何の話を聞きに行ったのかが全く見えてこない。取材された方が気の毒になるレベル。何故、老人受刑者に興味を持ったのか、問題点はどこにあるのか。再犯を繰り返す老人受刑者問題は目新しいものではないのでその実態を統計資料と取材で明確にし、その上で浮かび上がってきた問題について考察するという内容を期待していたのだが。
読了日:06月27日 著者:斎藤 充功
大奥 18 (ヤングアニマルコミックス)大奥 18 (ヤングアニマルコミックス)
読了日:06月26日 著者:よしながふみ
ホワイトラビット (新潮文庫)ホワイトラビット (新潮文庫)感想
『白兎事件』それは、立てこもりと誘拐と、空き巣のグループと誘拐のグループと。一体何なんだ?と思わせながら物語は進む。…とても一言では言い表せない小説。とにかく読め、としか。残りページが少なくなってから畳みかけられる真相に目を白黒させながら読み終えた。大きなエピから小さなエピまで、パズルのように繋がっていく様はまさに伊坂マジック。堪能しました。
読了日:06月26日 著者:伊坂 幸太郎
異世界居酒屋「のぶ」六杯目 (宝島社文庫)異世界居酒屋「のぶ」六杯目 (宝島社文庫)感想
実写ドラマが始まったらしいが未視聴。・上司になってほしい人No.1ベルトホルトさん。・紅ショウガの天ぷら(フライ?)美味しいよね!関西の方(?)ではポピュラーらしいがこちらではあまり見かけない。たまにあると嬉しくてつい注文しちゃうしナマも進む。・美味しい魚の価値ってすごい。流通の問題があるからそれだけで貴重。・独り呑みも大好きだけれど、あれこれ食べられないのはつまらない。そんな時に友がいれば。どちらも素敵。・お好み焼き!なぜかお好み焼きは続けて「パーティー」とくっつけたくなるね。…etc感想書ききれない!
読了日:06月26日 著者:蝉川 夏哉
ねなしぐさ 平賀源内の殺人ねなしぐさ 平賀源内の殺人感想
平賀源内の生涯を、虚実織り混ぜながら描く。冒頭は、松の廊下を思わせる武士同士の刃傷沙汰と源内が被疑者となる殺人事件が描かれ、真相が気になるが、物語は時制を行き来しつつ源内を追っていく。時代小説を読み慣れないため登場人物の名前を覚えるのに難儀したが、武家社会の不自由さと源内のジレンマが伝わってきてよかった。
読了日:06月24日 著者:乾 緑郎
最果ての街 (ハルキ文庫 に 11-1)最果ての街 (ハルキ文庫 に 11-1)感想
山谷ハローワーク所長が、殺されたホームレス、飯樋の身元を探ると驚愕の真実が…。…という物語を描きたかった意図はわかるが小説としてもミステリとしても雑。被害者がホームレスとはいえ連続殺人(しかも後出し)を警察が放置する?被害者が周りと関わりを持とうとしなかった動機も薄いというか分からない。福島出身の根拠も…これだけ?「オヤジ」の家庭不和や終盤で畳み掛けられる意外な犯人も取って付け感が半端ないし逮捕の場面に至っては突っ込みどころありすぎ。
読了日:06月23日 著者:西村健
金田一37歳の事件簿(7) (イブニングKC)金田一37歳の事件簿(7) (イブニングKC)
読了日:06月23日 著者:さとう ふみや
ひみつのダイアリー (文春文庫)ひみつのダイアリー (文春文庫)感想
週刊文春の連載をまとめたもの。一つ一つが短くてすぐ読めるのはありがたい…が、読者は相当選ぶなぁと感じた。まず毎回の書き出し「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」を読んで面白いと思える人だけが対象読者層。だから?の無関心ややだーと忌避する人には向かない。
読了日:06月22日 著者:みうら じゅん
わたしの幸せな結婚 三 (富士見L文庫)わたしの幸せな結婚 三 (富士見L文庫)感想
3巻は清霞の両親登場。あと最後にラスボスっぽい人も。そんなことはどうでもよくて、出会いは確かに縁談だったけど色々あってとっくに二人は両想いだとお互い自覚しているかと思いきや。あぁもどかしい。でも一歩進展のあった巻。
読了日:06月18日 著者:顎木 あくみ
わたしの幸せな結婚 二 (富士見L文庫)わたしの幸せな結婚 二 (富士見L文庫)感想
美世の実家問題は前の巻で無事解決したので今回は清霞にライバル登場の巻。その名も新。今後の物語に大いに絡みそうな人々が沢山登場する巻でもある。清霞の姉の葉月はとてもいい人で安心。
読了日:06月18日 著者:顎木 あくみ
わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)感想
あらすじにある通り、典型的なシンデレラストーリー。韓流ドラマを思わせるベタな展開だけれどもだからこそなのか中毒性がある。先に漫画版を読み続きが気になって購入してしまう程度には私もハマってしまった。漫画は1巻の途中までしかまだ達していないので先が楽しみでもある。美世の実家問題がこの巻で終了したのは意外だった。幸次には是非ダークサイドに突き進んでいただきたかったが。1巻は伏線編ではあるが、異能とかそういうのどうでもいいから美世と清霞がいちゃらぶしてればそれでいい!
読了日:06月18日 著者:顎木 あくみ
読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA)読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA)感想
既存の文学作品を題材にした小説はビブリア古書堂の事件手帖をはじめ目新しいものではない。が、この小説ではモチーフとなる小説の内容にかなり踏み込んだ物語の構成となっており、必然、扱われる作品数もさほど多くない。「図書室案内」というよりは「読書感想文の書き方」の方が内容に即しているような気がするがそれでは誰も手に取らないか。ミステリ的仕掛けはやや牽強付会であるものの、全体的にハッピーエンドの結末がよかった。
読了日:06月18日 著者:青谷 真未
恋愛未満恋愛未満感想
中年版ボーイミーツガール。全体的にやや老害感が出てしまっているのが残念だが、一話目でさんざんな目にあった津田が二話目でとったアクロバティックな行動には度肝を抜かれた。夫の友人たちに交じる女性に嫉妬する様子を若妻視点で描いた三話目はありがちな設定と思いきや、夫婦だけの物語で落としこまない結末はさすが。掌編を挟んで最終章は『長女たち』を思わせる。一卵性母娘の介護の壮絶さが、経験に裏打ちされた圧倒的なリアルで迫る。ホラーテイストも感じられ、一、二話目とは全く異なる読後感だった。
読了日:06月16日 著者:篠田 節子
少女は夜を綴らない (角川文庫)少女は夜を綴らない (角川文庫)感想
理子は友人の加奈子を殺してしまったことから加害恐怖に陥る。親友のマキは受診をすすめるが、理子は自己流の暴露療法…空想の加害の模様をノートに綴ることで精神の均衡を保っていた。ある日加奈子の弟の悠人が現れ、加奈子殺しを黙っていて欲しければ父を殺す手伝いをして欲しいと申し出る。…鬱の母、連続ホームレス殺傷事件、理子を敵対するクラスメイトなど、これでもかという不幸が降りかかる。理子の気持ちがぶれたりサイコパス思考になったりと突っ込みどころはあれど、一気読みだったし99%ダークで1%の希望がある不思議な物語だった。
読了日:06月16日 著者:逸木 裕
オルガ (新潮クレスト・ブックス)オルガ (新潮クレスト・ブックス)感想
オルガという一人の女性の一生を追う。オルガのように強く賢く生きられたらと憧れた。愛する者には大きな欠点がありそれでも愛し続ける。もう二度と会えなくても。オルガはヘルベルトを変えたり、自分が無理に変わろうとはしない。そのことに最も心打たれた。
読了日:06月15日 著者:ベルンハルト シュリンク
潤みと翳り (ハヤカワ・ミステリ文庫)潤みと翳り (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
オーストラリアを舞台に、行方不明になった女性の消息を辿る。フーダニットとしても良作。圧倒的な自然を前に無力な人間たちの営みはある意味滑稽にも見える。けれどそのことこそが人間の営みなのかもしれない。
読了日:06月15日 著者:ジェイン・ハーパー
南相馬メドレー南相馬メドレー感想
作家、柳美里が家族と共に鎌倉から福島に移住し、そこでの暮らしを綴ったエッセイ。『命』他の著作で表紙を飾った息子丈陽くんはとっくに母の背を追い越し、高校でフルートを吹く。柳美里は住民と寄り添いながら、書店「フルハウス」の開店、劇団「青春五月党」を再結成し、上演を果たす。息子の成長に比してちっとも変っていないように見える作者の、あの細い体のどこからこのバイタリティーが生まれるのか。近況はSNS等で追ってはいたが、今の言葉を知りたく、また、演劇も鑑賞したくなった。
読了日:06月15日 著者:柳 美里
いいからしばらく黙ってろ!いいからしばらく黙ってろ!感想
龍岡富士は大学を卒業したものの、婚約者に振られ、就職も決まらない。卒業パーティで同級生にディスられた富士は会場を飛び出し、劇団「バーバリアン・スキル」の舞台を見る…が、開始10分で謎の異臭騒ぎが起き、持ち前の面倒見の良さから観客の避難誘導の指揮をとる。そのことがきっかけでスタッフとして、劇団の存続をかけた上演に関わることとなり…。ツッコミどころは多々あれど、ノリとイキオイで400頁超を読み切らせてしまう力量はさすが。物語の着地点が見えないまま、最後まで突っ走り、何も解決していないけれど一応大団円。
読了日:06月13日 著者:竹宮 ゆゆこ
警部ヴィスティング カタリーナ・コード (小学館文庫)警部ヴィスティング カタリーナ・コード (小学館文庫)感想
二十数年前に起きた、未解決の女性の失踪事件。刑事ヴィスティングは女性の夫と私的な交流を続けていた。失踪日に彼の家を訪ねるが、不在。そのことに心をざわつかせていた時、スティレル捜査官が未解決誘拐事件の捜査に訪れる。両者の事件には繋がりがある。ヴィスティングはシングルマザーで記者の娘に代わって孫の子守をしながら、24年間考え続けた失踪女性、カタリーナが残した暗号を今日もまた考え続ける。…もどかしいほどじっくり進行するが、未解決の謎と暗号、そこに齎された新たな視点が次々提示され全く冗長な感じはない。
読了日:06月12日 著者:ヨルン・リーエル ホルスト
七つ屋志のぶの宝石匣(11) (Kissコミックス)七つ屋志のぶの宝石匣(11) (Kissコミックス)
読了日:06月12日 著者:二ノ宮知子
ラジオ・ガガガ (双葉文庫)ラジオ・ガガガ (双葉文庫)感想
ラジオをテーマにした短編集。どちらかというとAM、深夜ラジオの話題が多いかもしれないが普段全くラジオを聞かないという人でも面白く読めると思う。ラジオの持つ孤独性、全国にリスナーが数多いることは知っているけれど、同時に、パーソナリティと一対一であるような錯覚を覚える感じや、お笑いとか正論とかバカみたいと思いながら引き込まれてしまう気持ち等が短い言葉で端的に描写されている。「三匹の子豚たち」は介護施設の老女が主人公で、次の「アブラヤシのプランテーション」は海外で逃亡中(?)の若者。
読了日:06月05日 著者:原田 ひ香
この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代感想
社会に衝撃を与えた津久井やまゆり園事件。植松被告の主張は変わらないまま死刑が確定しようとしている。私はそれがとても残念だったが、この本を読んで、ずっと不可解に思っていた被告の動機が少し理解できた気がした。ありのままの自分を肯定することができず、役に立ちたいという気持ち。内なる優生思想。障害者の自己表現を汲み取れないケアラー。大規模施設の介護者と被介護者の力関係の弊害。生活習慣病を依存症臨床の視点から見る(非自己責任論)。セルフネグレクトアディクション的に存在したのではないか…。
読了日:05月30日 著者:雨宮 処凛,神戸 金史,熊谷 晋一郎,岩永 直子,杉田 俊介,森川 すいめい,向谷地 生良
あの日に消えたエヴァ (小学館文庫)あの日に消えたエヴァ (小学館文庫)感想
痛ましい暴力シーンが多いので苦手な人は注意(しかしそれもまた現実である)。カス=エヴァは予測できたもののこのオチは見抜けなかった。驚いたことは驚いたけれど、問題をすり替えただけのような…?エヴァの10年間は全く解決していないので続編があるならそこは説明して欲しい。カスは子供にDVが露見することをひたすら心配していたが、隠せるものだろうか?連鎖するというし、そこは心配。あとクリザの再登場期待。
読了日:05月30日 著者:レミギウシュ ムルス
歌舞伎座の怪紳士 (文芸書)歌舞伎座の怪紳士 (文芸書)感想
久澄は家事手伝いで離婚してシングルマザーの母を支えている。一度働いたものの、心身に支障をきたし、退職してしまったことに忸怩たる思いを抱いている。 久澄の自立がメインテーマで、歌舞伎座や劇場で起こるちょっとした事件を解決していく物語。怪紳士の正体は少し拍子抜け。チケット詐欺の話は少し分かりづらかった。 物語とは関係ないけど久澄と香澄の名前はそのままりぼん黄金時代のヒーローとヒロインの名前であり姉妹の母はその世代なのかな、と想像した。
読了日:05月28日 著者:近藤史恵
ゆるゆり (18) (IDコミックス 百合姫コミックス)ゆるゆり (18) (IDコミックス 百合姫コミックス)
読了日:05月28日 著者:なもり
バルタザールの遍歴 (角川文庫)バルタザールの遍歴 (角川文庫)感想
バルタザールとメルヒオールは一つの肉体を共有する双子。単純に解離性同一性障害かと思いきや、父の死から物語はファンタジー色を帯びる。けれどこの設定は物語の装飾でしかなく、ウィーンの貴族が時代に翻弄されながら如何に没落していくか、が主眼。語り手が入れ替わる構造は慣れが必要だけれど、戦争の足音に怯えながらもどこかコメディタッチの物語にぐいぐい引き込まれていく圧倒的筆力はデビュー作とは思えない。作中にもあるが、キュビズムの絵画を鑑賞したような、不思議な読後感。
読了日:05月28日 著者:佐藤 亜紀
はじめてのひと 5 (マーガレットコミックス)はじめてのひと 5 (マーガレットコミックス)
読了日:05月26日 著者:谷川 史子
警視庁文書捜査官 (角川文庫)警視庁文書捜査官 (角川文庫)感想
さすがにこじつけでは?ご都合主義を強く感じた。主人公チームがいつもあっさりアジトを発見するが必ずしも文書解析とは関係ない。キャラもさほど魅力的じゃない。あと、殺人事件と思いきや誘拐事件だった、とするなら伏線が足りない。うさんくさい企業間のトラブルという動機もイミフだし、複数殺されてる殺人事件の容疑者にあっさり逃げられるのもどうか。
読了日:05月25日 著者:麻見 和史
殺人都市川崎 (ハルキ文庫 う 10-1)殺人都市川崎 (ハルキ文庫 う 10-1)感想
こんなに川崎ディスって大丈夫?翔んで埼玉的なギャグでもないし。と思っていたら。さすが浦賀和弘。一筋縄ではいかなかった…。
読了日:05月24日 著者:浦賀和宏
鉄路の果てに鉄路の果てに感想
頭のいい感想は数多あると思うので。紙が厚めなので本自体に厚みを感じるが重さはさほどでもないし分量は新書一冊くらいの感覚。章立てが短くて地図や写真があり、またそれらについて本文できちんと解説してくれるので(さすが元報道カメラマン!)細部まで読者がストレスを感じることなく丁寧に作られている本だと思った。学校で意図的にスルーされてきた、日中戦争以降に日本が何をしてきたか。鉄道の旅と共に解き明かされていく。過酷な旅だけれど、スケールの違う大陸横断鉄道に乗車してみたくなった。
読了日:05月22日 著者:清水 潔
聖☆おにいさん(18) (モーニング KC)聖☆おにいさん(18) (モーニング KC)
読了日:05月22日 著者:中村 光
海炭市叙景 (小学館文庫)海炭市叙景 (小学館文庫)感想
映画を観たので、再読。
読了日:05月21日 著者:佐藤 泰志
そこのみにて光輝く (河出文庫)そこのみにて光輝く (河出文庫)感想
映画を観たので、再読。綾野剛池脇千鶴がとてもよかった。
読了日:05月20日 著者:佐藤 泰志
嫌な奴 (講談社文庫)嫌な奴 (講談社文庫)感想
最初から最後まで、三浦と和也はすれ違ったまま、お互いを「嫌な奴」と思い続けている。この先ずっとこの関係は変わらないのか、その示唆さえなく終わる。だからこそ、この二人はこの先もずっと一緒にいるのだろうという気もする。愛でなく、執着でもなく、言語化できない関係の二人の物語。
読了日:05月18日 著者:木原 音瀬
留萌本線、最後の事件 トンネルの向こうは真っ白 (ハヤカワ文庫JA)留萌本線、最後の事件 トンネルの向こうは真っ白 (ハヤカワ文庫JA)感想
ミステリとして、というより北海道の在来線が次々と廃線になっていくことに憤りを感じていることは伝わってきた。
読了日:05月17日 著者:山本巧次
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(9) (講談社コミックス)金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(9) (講談社コミックス)
読了日:05月17日 著者:船津 紳平
臨床探偵と消えた脳病変 (創元推理文庫)臨床探偵と消えた脳病変 (創元推理文庫)
読了日:05月17日 著者:浅ノ宮 遼
ちはやふる(44) (BE LOVE KC)ちはやふる(44) (BE LOVE KC)
読了日:05月17日 著者:末次 由紀
山賊ダイアリー(7)<完> (イブニングKC)山賊ダイアリー(7)<完> (イブニングKC)
読了日:05月05日 著者:岡本 健太郎
裏世界旅行 (小学館文庫キャラブン!)裏世界旅行 (小学館文庫キャラブン!)
読了日:04月29日 著者:二宮 敦人
ぼくが見つけたいじめを克服する方法 日本の空気、体質を変える (光文社新書)ぼくが見つけたいじめを克服する方法 日本の空気、体質を変える (光文社新書)感想
内容はとてもいいのだけれど、題名負けというか。いじめを克服する方法が書かれているわけではないように感じた。想像だけど、作者はとても頭のいい人で(何しろお医者さんだし)、だから、ここに書かれていることはとても正しくてそういう意味では「克服する方法」が書かれている。けれどそれはあくまでも作者がやってきて成功したことに過ぎない。どちらかというと本書の主眼は副題「日本の空気 体質を変える」にあると思った。
読了日:04月29日 著者:岩田 健太郎
機巧のイヴ 帝都浪漫篇 (新潮文庫)機巧のイヴ 帝都浪漫篇 (新潮文庫)感想
え、イヴ終わりなの?
読了日:04月28日 著者:乾 緑郎
御子を抱く御子を抱く感想
結局最後まで「星川」を中心としたコミュニティが一体何なのかわからないまま…。
読了日:04月27日 著者:石持 浅海
十三夜十三夜感想
お関は夫が不在のある夜、婚家を抜け出し実家へ戻る。いいところへ嫁いだと鼻高々の両親に、夫からの…今風に言うところの精神的DVを訴えて、離縁を申し出る。話を聞いて激昂する母に、父は、かわいい息子の太郎ともう二度と会えなくなってもいいのかと、戻るよう説得する。それを聞いて、死んだつもりで婚家に戻ることを決意するお関。ここまでが前半。後半、婚家に戻るため乗り込んだ車の車夫が初恋の相手であった。再会を喜ぶ二人だが、その道はもう二度と再び交えることはないことを確認してまた別れる。…前半のお関の決意の語りが哀しく
読了日:04月24日 著者:樋口 一葉
山賊ダイアリー(6) (イブニングKC)山賊ダイアリー(6) (イブニングKC)
読了日:04月22日 著者:岡本 健太郎
山賊ダイアリー(5) (イブニングKC)山賊ダイアリー(5) (イブニングKC)
読了日:04月22日 著者:岡本 健太郎
山賊ダイアリー(4) (イブニングKC)山賊ダイアリー(4) (イブニングKC)
読了日:04月22日 著者:岡本 健太郎
山賊ダイアリー(3) (イブニングKC)山賊ダイアリー(3) (イブニングKC)
読了日:04月22日 著者:岡本 健太郎
山賊ダイアリー(2) (イブニングKC)山賊ダイアリー(2) (イブニングKC)
読了日:04月22日 著者:岡本 健太郎
山賊ダイアリー(1) (イブニングKC)山賊ダイアリー(1) (イブニングKC)
読了日:04月22日 著者:岡本 健太郎
雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか(黄)雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか(黄)
読了日:04月20日 著者:一穂 ミチ
銀の匙 Silver Spoon(3) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon(3) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月20日 著者:荒川弘
銀の匙 Silver Spoon(2) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon(2) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月20日 著者:荒川弘
銀の匙 Silver Spoon(1) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon(1) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月20日 著者:荒川弘
凪のお暇 7 (7) (A.L.C.DX)凪のお暇 7 (7) (A.L.C.DX)
読了日:04月17日 著者:コナリミサト
メタモルフォーゼの縁側(4) (単行本コミックス)メタモルフォーゼの縁側(4) (単行本コミックス)
読了日:04月17日 著者:鶴谷 香央理
銀の匙 Silver Spoon (15) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (15) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon 14 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 14 (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (13) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (13) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (12) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (12) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (11) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (11) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (10) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (10) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (9) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (9) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (4) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (4) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (8) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (8) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon(7) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon(7) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (6) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (6) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
銀の匙 Silver Spoon (5) (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon (5) (少年サンデーコミックス)
読了日:04月12日 著者:荒川 弘
山賊ダイアリーSS(1) (イブニングKC)山賊ダイアリーSS(1) (イブニングKC)
読了日:04月12日 著者:岡本 健太郎
AX アックス (角川文庫)AX アックス (角川文庫)
読了日:04月12日 著者:伊坂 幸太郎
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言
読了日:03月27日 著者:長谷川 和夫,猪熊 律子
三階に止まる三階に止まる
読了日:03月22日 著者:石持 浅海
見習い警官殺し 下 (創元推理文庫)見習い警官殺し 下 (創元推理文庫)感想
うーん。『許されざる』の期待値が高すぎた。同じような物語を期待する読者もよくないんだろうけれど、上巻まるまる1冊、いらなくないか?
読了日:03月22日 著者:レイフ・GW・ペーション
見習い警官殺し 上 (創元推理文庫)見習い警官殺し 上 (創元推理文庫)
読了日:03月22日 著者:レイフ・GW・ペーション
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(8) (講談社コミックス)金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(8) (講談社コミックス)
読了日:03月20日 著者:船津 紳平
Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラスRのつく月には気をつけよう 賢者のグラス感想
ある意味水戸黄門的な定型の日常の謎もの。だから安心していたら最後にやられた!
読了日:03月09日 著者:石持浅海
濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)感想
文庫で再読。優れたミステリの書き手が怪談を書き、両者が融合したお手本のような仕上がりを再読でも堪能した。第二弾の刊行が待ち遠しい。
読了日:03月07日 著者:有栖川 有栖
希望と殺意はレールに乗って アメかぶ探偵の事件簿希望と殺意はレールに乗って アメかぶ探偵の事件簿感想
物語の導入がよかった。語り手が徹底的に黒子になる余り、情けなさは際立ったがそこは語り手による演出とも捉えられる。お嬢様の造形がご都合主義すぎる気はするが、横溝を彷彿させられるムラ社会の人間関係と戦争の影と大きな資本に翻弄させられる人々の物語は切なく心に残った。
読了日:03月04日 著者:山本 巧次
赤い部屋異聞赤い部屋異聞感想
再録短編集。一作ごとに作者が解説するのはやや、しつこく感じなくもない。
読了日:03月03日 著者:法月 綸太郎
犬神館の殺人 (新潮文庫nex)犬神館の殺人 (新潮文庫nex)感想
犬神館を舞台に、現在と三年前を行き来する構成。密室もの。雰囲気ミステリ。
読了日:03月02日 著者:月原 渉
BLUE GIANT SUPREME (10) (ビッグコミックススペシャル)BLUE GIANT SUPREME (10) (ビッグコミックススペシャル)
読了日:02月28日 著者:石塚 真一
沈黙の少女 (海外文庫)沈黙の少女 (海外文庫)感想
誘拐された少女が救出されて、けれど彼女は一切沈黙を通した。娘を誘拐された父と、少女と、彼らと。あまりにも残酷で恐ろしい真実。
読了日:02月28日 著者:ゾラン・ドヴェンカー
大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店 2 (ゼノンコミックス)大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店 2 (ゼノンコミックス)
読了日:02月27日 著者:新久千映,猫原ねんず
ワカコ酒 14 (ゼノンコミックス)ワカコ酒 14 (ゼノンコミックス)
読了日:02月27日 著者:新久千映
巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)感想
全体的にこなれた。しつこく「小市民」言わなくなったし。それはそれで寂しくもあり。
読了日:02月25日 著者:米澤 穂信
デルタの悲劇 (角川文庫)デルタの悲劇 (角川文庫)感想
読み終えて後、作者の訃報。衝撃。まるで自らの死を予感していたかのようで。
読了日:02月24日 著者:浦賀 和宏
贖いのリミット (ハーパーBOOKS)贖いのリミット (ハーパーBOOKS)感想
シリーズものの宿命ではあるが、現在起きている事件よりウィルを巡るアンジーとサラの三角関係に枚数が割かれ過ぎていて食傷。冒頭からアンジーが死んだ、いや死んでないの繰り返しで、ダチョウ倶楽部のネタかい!とツッコミたくなることしばし。アンジーの母性にも疑問が残るしとにかく長い…。
読了日:02月23日 著者:カリン スローター
逢魔が刻 腕貫探偵リブート逢魔が刻 腕貫探偵リブート感想
LGBTネタはもうお腹一杯…。最終話は信用できない語り手モノと思いきや?腕貫さん登場まで焦らすなぁ…。ま、これはこれで。
読了日:02月23日 著者:西澤 保彦
休日はコーヒーショップで謎解きを (創元推理文庫)休日はコーヒーショップで謎解きを (創元推理文庫)感想
最初のピザショップの話が一番好き。ピザは美味しそうだし、トラブルを運んで来そうな悪者(笑)がピザを気に入って通うようになるエピソードがいい。そして最後に、全員野球(?)で悪者を撃退するのは痛快だった。
読了日:02月22日 著者:ロバート・ロプレスティ
家族パズル家族パズル感想
家族がテーマの短編集。ハートフル、泣ける‼的な物語ではなく。主人公or読者の思い込みを覆してくれる気持ちよさがある。特に書き下ろしの最後の短編はかなりトリックが効いているので再読必須。思いがけない伏線の妙も味わえました。…ボンドかわいいよボンド(詳しくは本編で!)
読了日:02月16日 著者:黒田 研二
パズルゲーム☆プレステージ 4 (ボニータ・コミックス)パズルゲーム☆プレステージ 4 (ボニータ・コミックス)
読了日:02月16日 著者:野間美由紀
七つ屋志のぶの宝石匣(10) (Kissコミックス)七つ屋志のぶの宝石匣(10) (Kissコミックス)
読了日:02月16日 著者:二ノ宮知子
アリバイ崩し承りますアリバイ崩し承ります感想
新人刑事が偶然見つけた時計屋には「アリバイ崩し承ります」…アリバイ崩しの安楽椅子探偵もの。若い男女というディティールはあるがラブ要素もないシンプルなミステリ。殺人事件から日常の謎まで、事件の内容も盛り沢山で読者を飽きさせないがこれをドラマにしようと思ったのはすごいなぁ。ミステリ職人の技が光る逸品。
読了日:02月16日 著者:大山 誠一郎
雲 (海外文学セレクション)雲 (海外文学セレクション)感想
スコットランドの田舎で育ちカナダで働く「私」がメキシコの古書店で思いがけず故郷の地名を見つけ、購入したのは『黒曜石雲』という書物だった。愛する人との出会いと別れ、奇妙な家族、友人。現実と幻想と歴史を経て「私」が辿り着いた場所とは。…身も蓋もないことを言うと、愛した女に婚約者がいたことに深く傷いた「私」。彼女の言葉も待たず、その地を去って二度と会わない。その後は人生の目的もないまま漂流するが出会いに恵まれ、結果、社長令嬢を娶る。晩年、自らの下半身が引き起こした事態に慄く。って、自業自得ではないか?
読了日:02月16日 著者:エリック・マコーマック
殺し屋、やってます。 (文春文庫)殺し屋、やってます。 (文春文庫)
読了日:02月16日 著者:石持 浅海
シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗感想
キャラクター小説としても、ミステリーとしても、中途半端。
読了日:02月13日 著者:高殿 円
七不思議のつくりかた (集英社オレンジ文庫)七不思議のつくりかた (集英社オレンジ文庫)
読了日:02月09日 著者:長谷川 夕
アオイトリ (ビーボーイノベルズ)アオイトリ (ビーボーイノベルズ)
読了日:02月09日 著者:木原 音瀬
深淵の怪物深淵の怪物感想
小説推理新人賞奨励賞受賞作を含む短編集。新人とは思えない落ち着いた書きぶりと、短い枚数でありながら情報が過不足なく配置された妙な校正、読者を気持ちよくミスリードさせるなど一つ一つ読み終えるごとに極上の逸品を味わった後のような唸り声が出た。特に受賞作の『~肖像』。私は結末放り投げ系は嫌いなんだけど、この決着のつけ方は本当にいい。『さかな~』は物語がそのまま読者に突き刺さってくるという意味でメタフィクションのようだった。『メーデー』ー~』もそうだけど真実とそれを人が知るということの合間を描きたいのだろうか。
読了日:02月08日 著者:木江 恭
ヒヒは語らず (ハーパーBOOKS)ヒヒは語らず (ハーパーBOOKS)感想
警察官のアマンダは姉の死の真相を探ろうと極秘で当時の関係者と個人的接点を持っていた。すると、姉と類似した事例が次々と見つかる。…好きになっちゃいけない相手なのに…という割にはアドナンの魅力が薄い。マグヌスが最低野郎で人心掌握ができるようにはとても思えない。色々とツッコミどころはあるがデビュー作らしく勢いは感じる。オチに意外性がなく冗長で、物語があまりに主人公に都合よく展開しすぎる。あと主要登場人物が全員片仮名4文字名前でうち二人がアから一人がマから始まるというややこしさはどうにかしてほしかった。
読了日:02月08日 著者:アンナ カロリーナ
一抹の真実: A GRAIN OF TRUTH (小学館文庫)一抹の真実: A GRAIN OF TRUTH (小学館文庫)感想
『もつれ』に続く三部作の二番目。前作でシャツキをどうしても好きになれなかったし今回もそうだが妙な魅力を感じるようにはなってしまった。さて、今回はポーランドの風光明媚な街サンドミエシュ。慈善家の若い婦人がユダヤ教の儀式を模した様子で殺される。容疑者もまた遺体で発見される。暗い歴史から逃れられなかった者の犯行なのか。街で「よそ者」であるシャツキにしか見えない真実とは。ユダヤ人迫害の歴史は私は疎いが、特定の人種を迫害すること、そのことが尾を引いて人々を分断する様子は他人事とは思えなかった。
読了日:02月05日 著者:ジグムント ミウォシェフスキ
ぼくのワンピース(下) (ウィングス・コミックス)ぼくのワンピース(下) (ウィングス・コミックス)
読了日:02月05日 著者:山田 睦月,菅野 彰
ぼくのワンピース(上) (ウィングス・コミックス)ぼくのワンピース(上) (ウィングス・コミックス)
読了日:02月05日 著者:山田 睦月,菅野 彰
夢十夜 (岩波現代文庫)夢十夜 (岩波現代文庫)
読了日:02月02日 著者: 
帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)
読了日:02月02日 著者:西澤 保彦
ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫)ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫)感想
そのカフェは、月の1/3は休業している。店主が旅をして、旅先の美味しかったものをカフェのメニューとして提供してくれる。こんな素敵なカフェ、うちの近所にも欲しい!
読了日:02月01日 著者:近藤 史恵
コゴロシムラコゴロシムラ感想
カメラマンの仁科は、両腕がなくおまけに戸籍もない青年、新を引き取ることになる。彼の出生の謎と兄を探すべく週刊誌の編集長と共にコゴロシムラを訪れる。そこは、過去、産婆が子供を殺した事件があった場所だった。そこで明かされる驚愕の真実とは。…もっと、作者らしさを前面に出して欲しかった!新が何らかの福祉に嵌ることなく自らの力で将来を切り開いていく姿に凛々しさを感じた。
読了日:02月01日 著者:木原 音瀬
ロボット・イン・ザ・スクール (小学館文庫)ロボット・イン・ザ・スクール (小学館文庫)感想
タング、学校へ行く、編。物語の規模はだいぶ小さいが一家にとっては何かと一大事が続く。ベンの倫理観には時々頭を抱えてしまうが、これからもこの一家はうまくやっていくんだろう。
読了日:01月30日 著者:デボラ インストール
絞首商會絞首商會感想
メフィスト賞受賞作。とにかく読みづらかった…。この物語は、全員が〇〇に〇〇〇〇〇という大ネタをやりたいがために書かれたものだと終盤理解できるが装飾音が多すぎてメロディが分からなくなってしまった。
読了日:01月29日 著者:夕木 春央
テラフォーマーズ 21 (ヤングジャンプコミックス)テラフォーマーズ 21 (ヤングジャンプコミックス)
読了日:01月27日 著者:橘 賢一
時空旅行者の砂時計時空旅行者の砂時計感想
12B++ 余命宣告を受けた妻を救うべく約60年タイムスリップして「竜泉家の呪い」を解く。…選考委員の加納朋子ではないが、なんだそりゃ!?と思わずにいられない設定、であるがそれ前提で且つトリックに絡ませつつ本格ミステリとしての体裁は整えている…んだろう多分。『屍鬼荘』と似た系統を感じるがあちらの方が細かいところのくすぐりが上手くて好印象だった。こちらの作者はとても真面目なんだろうけれど、トリックの検証は正直どうでもいい。そこんとこ飛ばして読んでも面白いと思える物語でればなおよかった。
読了日:01月25日 著者:方丈 貴恵
ゴースト アンド ポリス GAPゴースト アンド ポリス GAP感想
11B 新人警官の桐野が配属されたのは、ごんぞうが集う問題ありの交番だった。気落ちする桐野に副署長の戸村はある提案をする。…第一回警察小説大賞受賞作、の割に目新しいところがない。キャラも魅力があるとは言い難い。ノベライズを手掛けていただけあって最低限小説としての体裁は整えているが。
読了日:01月25日 著者:佐野 晶
出航出航感想
10C 大学生の「私」は母が家出して向かった先、北海道の独鈷路戸に向かう。「ネコバス」と呼ばれる怪しい乗り合いバスに乗ってたどり着いたそこでは内臓がはみ出た猫が動き、おぞましい虫(?)が跋扈する怪しい村。私は期せずして村の秘密を知ってしまい、内乱に巻き込まれていく。…白井智之の劣化コピー。妙な雰囲気の文章とおぞましい描写。あれよあれよという間に物語に引き込まれていく感じは独特。「私」の口調や思考回路が特殊だがこれは演出なのか否か。次回作で検討したい。
読了日:01月22日 著者:北見 崇史
オニキス -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子ー (新潮文庫nex)オニキス -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子ー (新潮文庫nex)感想
父は英国の公爵、母は宮家。そのハーフである綾子令嬢は警察官。余りある財産を使い、監察官として警察内部に巣くう病巣をばっさばっさと切り落としていく、ある種の痛快物語。作者の警察愛が溢れていて、第一章は特に、市井の人々の記憶にも新しい、警察署の金庫から八千万程の現金が盗難にあった事件を題材としている。現実はかなり後味の悪い結末だったようだが、この物語のようなオチだったらよかったのに、と思った。
読了日:01月22日 著者:古野 まほろ
ノッキンオン・ロックドドア2 (文芸書)ノッキンオン・ロックドドア2 (文芸書)感想
青崎有吾を読んでいつも思うのは、一切無駄な記述がなくて、シャープでスマート。かといって、わかる人だけわかってね的な思わせ振りな省略もない。前作、伏線として残された倒理と氷雨の過去が今作で明かされる。それはそれで衝撃だったが、この作品は、キャラ属性に頼っただけのなんちゃってミステリではない。短いながら、一つ一つの物語の謎は魅力的であり、解決は他の可能性が全て排除されている。解決は、ある種の苦さと馬鹿馬鹿しさを含んでいてそこもよい。館シリーズと甲乙つけがたく、今日も続編を待つのみである。
読了日:01月19日 著者:青崎有吾
文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)感想
近文研究者の重鎮、曽根崎が気紛れで入ったバー。バーテンダーのミサキ、常連客の宮田と近文の名作を巡って交わされる議論。宮田が〆のカシスシャーベットを注文するとき、名作の解釈は大きく覆される。…誰もが知っている名作の解釈を覆す過程はなかなか痛快。最初の『こころ』が一番綺麗だった。ミステリ読みは最後の『藪の中』が面白いかな。各名作を既読でも未読でも大いに楽しめる内容だった。ゆっくりでいいのでぜひ続編を!
読了日:01月19日 著者:鯨 統一郎
探偵はぼっちじゃない探偵はぼっちじゃない感想
9B++ 中学生の緑川は受験を控え、伸び悩む成績のことで両親と揉めていた。そんなある日、星野という不思議な雰囲気の男子生徒から、小説を書いてほしいと誘われる。最初は突っぱねてた緑川だったが、いつしか夢中になる…。…もう一つの主人公、原口や緑川と甲本の関係など、主筋に関係ない要素を盛り込みすぎて焦点がぼやけてしまったのが惜しい。ただ、星野と叔父の微妙な関係性を本の揃え方で表現するところなど、光る箇所は沢山ある。作中作に挑んだのも意欲的。
読了日:01月18日 著者:坪田 侑也
黄金列車黄金列車感想
物語は主人公のバロクが住み慣れた部屋を退去するところから始まる。バロクはハンガリーの役人であり、ユダヤ人から没収した財産を積んだ列車に同乗すべく、家を出たのだ。没収財産をハンガリーの国有財産と名乗ることや荷や人を守るため時には積み荷から袖の下を自主的にあるいは強要されて渡す事に何も感じない訳はない。しかし作者は登場人物たちの内面に踏み込まず、リズム感のある文章でテンポよく物語を進めていく。読者の中には作者がある意味勝手に作った感傷ではないものが残ることになる。登場人物全員悪人でありそうではないのだ。
読了日:01月18日 著者:佐藤 亜紀
ちはるさんの娘(4) (アクションコミックス)ちはるさんの娘(4) (アクションコミックス)
読了日:01月10日 著者:西 炯子
初恋の世界 (7) (フラワーコミックスアルファ)初恋の世界 (7) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:01月10日 著者:西 炯子
もつれ (小学館文庫)もつれ (小学館文庫)感想
舞台はポーランド。集団セラピー参加者の一人、会社社長の男が目に焼き串を刺されて殺された。事件を追う検察官シャッキはセラピーの内容に困惑を隠せない。被害者の遺品から過去の未解決事件との関連が疑われ、捜査を進めるとシャッキの身に危険が迫る。果たして真相は。…時々、というには多すぎる下ネタに辟易。検察官と言えば日本では相当エリートだが、ポーランドではそうでもないらしい。秘密警察というものがリアルに生きている世界はただただ恐ろしい。
読了日:01月10日 著者:ジグムント ミウォシェフスキ
生まれながらの犠牲者 (創元推理文庫)生まれながらの犠牲者 (創元推理文庫)感想
田舎町で、13歳の少女が失踪した。事件を捜査するフェローズ署長に少女の母は非協力的で…。新訳のお陰か古さは感じない。署長あらゆる可能性を排除してたどり着いたこたえはあまりにも切ない。
読了日:01月06日 著者:ヒラリー・ウォー
そして誰も死ななかったそして誰も死ななかった感想
謎の覆面作家から絶海の孤島へ招待された5人の作家たち。招待主は姿を現さず、客たちは次々と遺体で発見される。傍らには人形が置かれている…というミステリーの王道な舞台で白井智之が描くのは、次々と死者が甦る世界。めちゃくちゃなようで本格。本格のようでめちゃくちゃ。最後の最後の最後まで目が離せない白井智之ワールドを堪能しました。
読了日:01月06日 著者:白井 智之
ノワールをまとう女ノワールをまとう女感想
8B+ Aにしなかったのは、奈美と雪江の関係を原田が知らないはずがない。むしろ関係を知った上で利用するだろうと思うから。桐野夏生を思わせる女一匹狼もので齟齬は感じつつも最後まで楽しく読めた。流石に乱歩賞受賞作。奈美と雪江のの出生も含めた過去のエピソードがいまいち。扱ってる題材は現代なのに主役二人の名前が昭和臭。と瑕疵はこれくらいにして。ヘイトなど、微妙な題材を扱っているが、作者の主張が見えない物語となっているところがよかった。最後は恋人が命懸けで遺したものが手懸かりだけどもう少し探偵らしさが欲しかった。
読了日:01月04日 著者:神護 かずみ
さよならの言い方なんて知らない。3 (新潮文庫nex)さよならの言い方なんて知らない。3 (新潮文庫nex)感想
平穏とPORTが手を組んで、最強の月生に挑む。けれど同盟はフェアには運用されず、歩はミケで暗躍する。戦いの行方は…。架見崎の成り立ちが少しずつ開示されていく。架見崎では死んだ者が生き返る。では架見崎で死ぬとは?架見崎に居る者は何を求めて戦うのか。続きが待ち遠しい‼
読了日:01月02日 著者:河野 裕
medium 霊媒探偵城塚翡翠medium 霊媒探偵城塚翡翠感想
推理作家の香月は霊媒を名乗る城塚翡翠と出会う。殺害現場で被害者の降霊をする翡翠だが、その証言に証拠能力がない。香月はその間を埋めるべく、推理を展開して様々な事件を解決する。…さすが、各種ランキング一位を席巻した作品。期待値に充分過ぎるほど応えてもらえた。内容は事件毎に章だてされていて読みやすいし、このパターンで続くのかと思いきや最後のどんでん返しは本当に驚いた。発行は講談社だが鮎哲賞受賞者らしさも垣間見えて古参のミステリ読みも満足すること間違いなし。令和二年元旦からよい読書ができて嬉しい。
読了日:01月01日 著者:相沢 沙呼
盤上に死を描く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)盤上に死を描く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
7D 名古屋市南区で老女を狙った連続殺人が起こる。被害者同士の繋がりはなく、遺体と共に残された将棋の駒が唯一の手がかりだった。水科刑事は、駒と被害者の年齢から、詰め将棋が作成できることに気付く。…雑。女性の詰め将棋ファンは珍しいということだが、詰め将棋に造形の深い女性が刑事として事件に関わること、ラスボス発見から確保までの展開もマンガと言ってはマンガに失礼なほど。雑誌の主幹が元刑事で主人公の女刑事と旧知の仲というのもご都合がよすぎだろう。
読了日:01月01日 著者:井上 ねこ

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