読書

黄金蝶ひとり (ミステリーランド)

読了。matsuoさんがオススメしていたのでランキング前に読んでみたら。うん。面白い！私が今まで読んだミステリーランドシリーズの中で一番よくできている作品だと思います。
今まで、確かに元々児童書作家ではないので仕方ないのですが「児童書を書くぞ」みたいな気負いが見えてしまって文末とか言い回しが不自然に感じてしまうことも少なくなかったのですが、そこはさすが太田忠司さんです。こういうジュブナイルを書かせたら太田さんの独壇場に決まっていました。これは本当に、子どもにすすめたい一冊です。
主人公の小学生男子が夏休みに田舎の祖父の元へ行くことになった、といえばありきたりな設定ですがそれを上手に面白く読ませているんですね。謎の登場人物とパズルは序盤戦。よく考えたら物語の本筋とは何の関係のないエピソードなんだけど、何もかもが伏線かミスディレクションのミステリを読み疲れた人には癒されるんじゃないかな。物語は主人公が手探りで進めていく。展開を与えられるのではないところが読んでいてとても面白い。視点が、自然と主人公と同じになっていく。
ぶっちゃけると物語自体はミステリではないでしょう。ではどこがミステリなのかは読んでのお楽しみ〜。