少年期

「思春期に少年から大人に変わる」と徳永英明は歌っているが、必ずしも思春期に変化するとは限らない。少年期とは意識せずに色々なものを創ることができる時期である。音楽でも、絵画でも文学でも何でも構わないが、その時期、彼らは創ろうと自覚することすらなく様々なものを創っていく。その無自覚さが良い方向に出るのか、彼らは完成度の高い作品を創り出すことがある。そのことでしばしば世間の注目を集めたりもする。すると世間は彼らに次の作品を要求する。しかし、少年期の創作物は無自覚でしか創りえない。ここで意識的に同じ完成度(ないしそれ以上)の作品を創ることができる者は「少年から大人に変わった」のだ。無自覚に固執し何も考えないことで創作しようという者は、少年から脱皮できないただの大人になってしまうのだ。