感想

まだひっぱるかー。でも多分祐巳紅薔薇さまになったら(祥子さまが卒業したら)この物語は終わる気がするので、まだひっぱるでしょう。今回は番外編と位置付けてもいいくらいしか物語は進んでいないので、先の展開が気になる読者は「他の姉妹はいいから祐巳の妹は!?」って思うかも。けど祐巳を中心に話を進めて、後から番外編を出されるよりは時間軸に沿って進めてくれる方が読みやすいし楽しいです。結局祐巳の妹は・・だろうけど今回はその結論を持ってくるための消去法の消去をした巻でせう。
ところで前の巻を読み返したら昔の瞳子ちゃんて「祥子さまぁ(らぶ)」って感じだったのに最近そうでもないですね。祥子さまに対して普通に接している感じ。祥子さまの変化はもっとすごいけど(「合コン」発言は私もびっくりした)。昔は「普通の人の群に特異な人が紛れ込んでしまった」的なエピソードが沢山あったのに最近それが見られません。
この物語は三人称なんだけど、祐巳の一人称に脳内変換されてしまう。だから今回何度か由乃さん視点になって戸惑うこと数回。読者の視点を祐巳に持っていっておいて、実は由乃さんの物語が進んでいます。この話は好き。(前半のスクラップの辺りから何となく読めていたけど)
あと、祐巳が蔦子さんにしたこと。何となく感動しました。物語ではなく、祐巳がそんなことをするようになったということです。もう紅薔薇のつぼみなんだもんねぇ。大きくなったねぇ。しみじみ。こういうエピソードを大事に紡ぎながら進んでいって欲しい物語だと思います。