今日は読書デーでした。
- 作者: 鯨統一郎,奥原しんこ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/10/25
- メディア: 文庫
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主人公甲斐はエンタテイメント小説を愛しており、純文学は殆ど読まない。「小説家を目指しているが書きたいテーマはない」と断言する。これはそのまま作者自身の言葉と見るのは短絡的かもしれないけれど、今後鯨作品を読んでいく上でこのスタンスを知っておくことは重要かもしれない。そう考えると文章は読みやすく展開は分かりやすく、難解なところが一つもなく時々小ネタ(と作者が思っている)ものをはさむことで、エンタテイメントに徹しようとしている姿勢が見えてくる。そこにはテーマもメッセージも何もない。主張をしないことを主張しているのか?主張する方が簡単だからこれはいっそ潔いかもしれない。たとえば村上春樹と鯨統一郎を読んで「村上春樹は理解できないけど鯨統一郎は面白かった」と言えないことを鯨統一郎には見抜かれているなぁ、と思った。
おいしいコーヒーのいれ方 (8) 優しい秘密 (JUMP j BOOKS)
- 作者: 村山由佳,志田光郷
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/05/24
- メディア: 新書
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登場人物たちが成長するので嫌でも取り組まなければならないテーマがあります。今回はそれ。それと、嘘をつくことと本当のことを言うことについて。かれんを傷つけたくなくて嘘をつく勝利と、本当のことを打ち明けた京子ちゃんが対照的に描かれている。嘘をつくことはよくない、というのは原則で、本当のことを言うことで相手を傷つけてしまうこともある。隠し事をしない、っていうのは相手への誠意ではなく自己満足に過ぎないのではないか?と作者は問いかけている。答えは出していない。
成長するにつれ、主人公二人があまり好きじゃなくなってきた。勝利は優柔不断だし、かれんは作中で星野りつ子が言った台詞そのまま(あんなことを言わせるなんて作者ももしかしてそう思ってるのか?)。もーあんたたち勝手にやって周りを巻き込むな、って感じです。媒体がジャンプノベルだからその世代が読んだら面白いんだろうか。ラノベとも違うし、かれんと同世代の女性が読んでも面白いと思えないだろうし。どの世代を狙ってるのかなぁ?謎。