中島みゆきの『異国』が『暗黒館』のモチーフになっていることをがくしさんの日記で拝見しました。リンク先の『異国』の歌詞を読んで・・・ああ!これかぁ!見たことがある。

『迷宮書架』で知られる、ひらのあゆの同人誌にもこの歌詞が出てきています。ひらのあゆの同人誌と言ってもヤマトじゃありません。乱歩の『孤島の鬼』の同人誌で、道雄がスーツ姿のまま池(海かな?)に浸かっている1頁のイラストがあります。そのバックに例の『異国』の歌詞が書かれていたんです。すごく印象的なイラストで歌詞もそのまま覚えていました。
『孤島の鬼』は、主役の箕浦くんは頭真っ白になりながらも最終的に婚約者をゲットし(しかも元婚約者の妹)幸せに暮らす。けれど、道雄の視点で見ると、箕浦は振り向いてくれそうにない。しかも、箕浦のために、人工的に作られたシャム双子を切り離す手術まで行う。よく考えると道雄は箕浦の敵でもよかった。そうすれば彼は故郷を喪わずに済む。彼は、故郷と箕浦を秤にかけさせられて箕浦を選んだことで、箕浦の味方側の人間であることの説得力を持たされているけれど、本当の、心のうちはどうだったのか?全てが終わって箕浦は彼の元から去ったとき、彼にはただ故郷の喪失だけが残ったのではないか?
・・・という物語の解釈に『異国』が怖いくらいに当て嵌まるのです。

ところで。乱歩の同人誌を発行していた『大暗室』というサークルの渡部久生さんの情報をご存じの方教えてください。ちょっとコミケに行かないでいた間に見失ってしまいました。

さて。改めて『異国』を見ると『暗黒館』より『屍鬼』を思い出した。沙子ないし辰巳のテーマソング。ベタベタかな?