愛がなくても喰ってゆけます。

無事入手。
よしながふみの漫画は同人誌も含めて幾つか読んだことがある。この人の描くエッチシーンのやらしさは他に類を見ない。どのようにやらしいかは是非男性も見て欲しい(・・・いや、無理はしなくてもいいけど・・・)。ポイントは表情と手書きの擬音。「そういう時ってそういう顔になるよね」という表情を掴むのが本当に上手な漫画家だと思う。
そしてこの漫画。食べ物エッセーということで漫画は半分くらい?と思ったら全て漫画でした。食べ物エッセーだけどよしながふみ漫画全開です。美味しい食べ物を口に入れた直後の「・・・・・っ」な表情がたまらない。恋に落ちる。グルメ番組の口に入れた直後に「美味しい!」とか言うのなんて嘘だろ!というストレスが溜まっている方が激しく納得すること間違いなし。他にも自分が美味しいと思っているものを人が食べる瞬間。「・・・・・・・・?」あの間の表情。その一瞬が終わった後、「これは○○の味が○○で・・・」と言葉が幾らでも溢れてくる。この言葉はグルメ番組でも言うことだけれども前に「間」があるのとないのでは全く違ってくる。
激しい感情を客観的に伝えることって実は難しい。とても怒っていると言葉が出てこないし、楽しいとか嬉しいでも同じ。この漫画は、その食べ物を食べている人が「ああ、本当に美味しいんだなぁ」と思える。これはすごいことだと思います。
そして私も美味しい食べ物は相手と分かち合って食べたい。「これ美味しいよ。そっちも?じゃ、交換しよう」ってできる相手っていいな。相手が美味しそうに食べている姿を見るとこちらも幸せになってきます。別に自分が作ったわけじゃないのに、「美味しい?よかったね」と言ってしまう。そういう価値観の合う人と一緒に美味しい御飯を食べに行きたくなりました。

愛がなくても喰ってゆけます。

愛がなくても喰ってゆけます。