タイガー&ドラゴン

お題は「猫の皿」短い噺なので説明*1
とても短く分かりすい、お手本のような噺ですね。
それに絡めた本編は実はコメディではなく人情噺でした。題材に人情噺を持ってくるのでなく本編でそれをやるんだからまたしてもクドカンにやられてしまいました。
ゲストキャラは小日向文世さん。落語はあまりご存じない方のようですが、着物を着ると本物のベテラン落語家のようで、とても似合っていました。悪役にあたるんだろうけれど、本人が底意地悪いというよりは、彼なりに落語を愛していて、その愛が憎しみへと向かわせているんだろうなぁと思わせる。だから「やなやつー」とは思っても憎めない。このドラマは悪い人が出てこないし、出てきてもこういうタイプだから見ていて本当に安心です。だからありがちな、最後にあからさまに改心することもない(小虎の落語を聞きに来ていることが譲歩なんだろうけど)。落語界に限らず世間の派閥や伝統などのしがらみを、コメディタッチで表現されていたと思います。そして今回のもう一つのテーマは家族愛。父と息子はどんちゃんと竜二、そして組長と銀次郎ですね。母と息子はさゆりちゃんと竜二と小虎。「小虎は家族の一員だよ」のシーンは最初から泣かせどころでした。
しかし今回の一番よかったシーンは竜二と虎児の心の会話でしょう!あそこは見ている人がそれぞれオリジナルの脚本を書いたと思います。あそこであえて台詞がなく無言なのがすごいと思う。
今回の笑わせどころは「師匠!あ、まちがった」「愛想笑いも含めて6回です」「虚言癖かよ」「てめ5000円も持ってないのかよ!」「ていうか敬語だったんだ」(←さゆりちゃんがこの台詞を無視するのが面白い)「ミチコロンドンなら引き出し」(だったっけ?)てな具合に、笑わせどころも多かったんだけど全体的に人情噺でしたね。
今回、淡島の師匠である高田文夫氏がいい味出していました。会長の最も嫌いそうなタイプを演じることでお互いが引き立っていたと思います。ああいう、人が真剣に話しをしている時におちょくってその人の怒りゲージを上げていく人っているよねぇ。怒られても「あ、すんません」とか言って悪びれないところがますます相手を怒らせる感じ。
今回も楽しませてもらいました。しかし竜二の過去も判明して終わりが見えてきた感じがあって切ないです。いつまでも見ていたいのにー。
次回のお題は「出来心」これはオチが二通りあるそうですが、私はまだ一つしか分からないです。

*1:骨董品の買入をしている旦那が買入の旅の帰り道の茶屋に寄ります。すると茶屋の猫が餌を食べている皿がとんでもない価値のある皿だと気付きます。旦那は「茶屋の主人はこの皿の価値を知らないに違いない。しめしめ」と、それまで邪険にしていた猫を急に可愛がり始めます。旦那は「私はこの猫をとても気に入った。是非ゆずってくれないか、タダとは言わない。3両でどうだ」と茶屋の主人に持ちかけます。茶屋の主人は「そんな猫でよろしければ・・・」と商談成立したところで旦那が何気なく皿も持っていこうとします。すると茶屋の主人は「この皿は譲れません。旦那さんはご存じないかもしれませんが、とても価値のある皿なんです」と断ります。旦那は悔しくて「じゃあなんだってそんな皿で猫に餌食わしてるんだ」と聞くと茶屋の主人が答えて曰く「この皿で餌をやると、時々猫が3両で売れるんです」