伏線?

ああいうの、なんて言うの?例えばさ。物語の筋とは全く関係ないのに、家の名前が「斜め屋敷」になってたり部屋の名前が「黄色」だったりとかそういうやつ。これって、知ってる人にとっては「ニヤリ」なとこで、知らない人にとっては「?」てことになる。
この、知ってる人に「ニヤリ」とさせるためだけの演出って知らない人にとっては、小説のノイズでしかないと思うんだよね。
知らない人は「この小説を読む前に『斜め屋敷』を読んでおかなきゃいけなかったのか!」って焦るかもしれない。焦って本当に『斜め屋敷』読む人と、読んでないけどまぁいいやと読み進める人と、じゃあいいや、ってこの本を読むのをやめてしまう人がいるかもしれない。強引にそれぞれ割合が3分の1ずつだと考えると、この記述をすることで3分の1の読者を締め出したことになる。また、真面目に『斜め屋敷』を読んでからこの本に戻ってきた人が、『斜め屋敷』を満足して読み終えればいいけれど、つまらないと思ったら、この本に戻ってくる割合は更に減る。おまけにこの記述が物語の筋に全く関係ないものだと判明したらもう両方とも壁に投げつけるんじゃないかな。
だから私は本当はこんな記述はない方がいいと思うんだけど、やっぱり知ってると「ニヤリ」となることはある。私は不真面目だから知らない記述が出てきても原本(?)にあたることはないから二次被害は特にないんだけど。ただ、こういう記述が読者を限定どころかその作品を手に取った人まで選別してしまうんじゃないかというのは気になるところです。
筋に関係ないなら無視して読んでしまえばいいんだけど読み終わるまで関係あるのかないのか読者には分からないから、そこが問題。関係ある場合は、願わくばその本の冒頭か解説か、それが無理なら書評やブックガイドで「この作品は先に「○○」を読んでから読みましょう」ということを書いておいてほしいな。そういうことが書いてあったら本屋で衝動買いするのも怖くないのに。贅沢な悩みなんでしょうか?

最後に、私は特に『斜め屋敷』に含むところはありません。大好きな作品だよ!本当だよ!!