THE BIG ISSUE JAPAN109号

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昨日最新号のことを書いたついでに、前々号の書評に印象深いものがあったので、覚書を兼ねて書いておこう。

岡崎武志氏の書評で、小山清日日の麺麭・風貌 (講談社文芸文庫)』を紹介していた。小山清は「ほとんど一般には知られていない作家」であり「太宰治に師事し」ていたそうだ。太宰治マイブームなのでそれだけでも気になったのだけれど。一番心ひかれたのは書評の冒頭。下に引用する。

あらゆる困難に打ち克ち、ついに成功をつかんだ人。弱点を突かれても、平気ではね返し、自分を前に押し出していける心強き人。常にポジティヴで明るい明日を信じていける人。そういった人に文学は必要ないかもしれない。

強いものが生き残り、弱いものがなくなっていくのは、自然の淘汰だけれど、人間もそれと同じなら、人間が作ってきた文明とか文化とか、そういうものって何だったんだろう?てなことをつらつら考えていたところだったので、この文章は特に印象に残りました。