苦境の公共図書館

図書館が購入すべき本は何か - Copy & Copyright Diary
ttp://d.hatena.ne.jp/copyright/20071030/p2

このエントリに全面的に賛成。(こういう時に禿同って言うの?)

公共図書館の評価を貸出し点数で行うことに反対している。反対の理由の一つは、↑のエントリと同じことを言うことになるけれど、禁帯出の資料は貸出し点数に含まれないため、真っ先に削減されかねないから。参考資料、統計資料、地誌に関するものは、公共図書館が揃えるべき資料の要であると思う。他には、そもそも貸出しは図書館内で資料を読みきる時間がない場合に館外に持ち出すサービスなので、図書館内で読むことができれば貸出しをする必要がない。読書スペースを多く確保され、開館時間が長い素晴らしい図書館があっても貸出しに結びつかなければ評価されないことになる。

もう一つ、図書館関連で気になったニュース
広がる資料費削減 県内公立図書館 情報機能低下を危ぐ
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/10/30/2007103009010466007.html

勝央町では本年度、新聞・雑誌を除いた図書購入費が前年度比45・5%減の120万円。勝央図書館は「図書館機能を維持する上でギリギリのライン。新しい本や雑誌を買うことで利用増にもつながるのだが」と嘆く。

 こうした中、蔵書を図書館同士で融通する「県図書館相互貸借システム」を使い、県立図書館が06年度に県内の公立図書館に貸し出した書籍は前年度比15・4%増の1万7465冊。同館は「蔵書数が限られた他の図書館の機能を“補完”する役割を果たせているのでは」という。

 しかし、ある公立図書館司書は「他の図書館から本を借りることができても、図書館に自ら足を運んで数ある蔵書の中から自分の読みたい本を選びだす楽しみは確実に減っている」と指摘する。

相互貸借は最早「当たり前」のサービスになりつつあり、行政区分を超えた協力も珍しくはない。けれど相互貸借を資料を揃えられないことの「言い訳」にしてはいけないと思う。
家の(ある程度)近くに公共図書館があり(ある程度)多くの資料の中から好きなものを選び、家に帰って読む。これらのサービスを無料で受けられる。例えば医療福祉のために増税もやむを得ないと思うなら、図書館の運営のために財源を確保することもやむを得ないと思えるだろうか?

ところで少し前の話になるが、図書館は建てたけどそれで予算がなくなったから資料は寄付。という自治体が話題になった。私はばっかじゃないの?と思ったけど。
図書館は、もちろん環境も重要だけれど、それは、大きな建物という意味だけではないはず。市役所やその分庁舎の空室を使って図書館分室を作るのはどうだろう?遠くの大きい図書館より近くの分室の方が、使い勝手はよさそうな気がする。…と言うか実は私が小さい頃こういう分室にお世話になったのだった。もう少し遠くに大きくて立派な図書館が出来た後もこちらが好きでよく通った。だんだんここの資料だけでは物足りなくなり(児童書が多かったというのもある)大きい図書館に通うようになってしまったが、閉鎖されると聞いてとても寂しかった。私を形作っているものの何割かはあの場所にあった、と思う。