読売新聞社の「読書」に関する全国世論調査

読書週間 “本離れ”傾向変わらず…本社世論調査
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20051028bk01.htm

「あなたはここ一ヶ月で本を読みましたか?」
この質問で気になるのは「本」の定義。
メディアが新聞・雑誌・本(ここでは表紙があって本の形態のものを指す)に限られていた時代は、この質問でいわゆる「読書意識」をはかることができたかも。でも今はフリーペーパーとか、ネットとかメディアは多様化している。ケータイ小説読んでます、という人をはたして「読書した」と認めるのか?
また「本を読む」という行為の定義も気になる。頭から終わりまで全て読むことが「本を読む」なのか?新聞や雑誌で気に入った記事だけ読むのはどうなのか?blogを読むのは?マンガ雑誌を立ち読みするのは?辞書・事典を引くのは?…などなど。
趣味的な読書は何も生産的しない。多くの趣味がそうだとも言えるが、手芸なら作品、スポーツなら健康な体が成果品と言えるが読書は無理矢理言うなら知識、だろうけれども必ずしもそれが残るとは言えない。ということは、読書する人は何らかの余裕がある人であると言える。昼夜問わず働く人は本を読む暇もないだろう。(仕事で本を読む必要がある人もいるのかもしれないが)

私は本が好きで、この統計結果を参照すればよく読む人の部類に入るのだろうけれど、そのことで特に得をしたと思わない。…逆か。得をしようとして本を読んでいるのではない。面白い本を読み終えた後のため息、そのために読んでいると言える(蛇足だけれど「面白い」と言うには色々なことを考えさせられる本も多いのだけれど、それらを総称して「面白い」と表現したつもり)。

何かと「本を読んでいない人が増えている」と警鐘を鳴らすけれど、働くのに必死で本を読むどころじゃないって場合も多いんじゃないかな。他にもネットはするけど本は読まないって人数に含めないのもどうかと思う。メディアは色々なんだからその中で紙媒体の活字を読んだ人は誰?という調査も腑に落ちない。

それにしてもこの調査結果はつっこみどころが多すぎる…。やらまいと思ったが一つだけ。

◆最近、活字離れの傾向が著しいという指摘があります。活字離れに歯止めをかけるための方法として、あなたが、とくに効果的だと思うものがあれば、次の中から、いくつでもあげて下さい。
結果、多い順から↓
「読書の時間」を学校の授業科目にする(40.2%)
生徒に読書への興味を持たせることができる教師を増やす(28.1%)
新聞を使った教育を充実させる(22.8%)

むしろ、必要なのは「情報収集・検索力をつける授業(訓練)」じゃないかな?それは既にあるんでしょうか?